日本人はなぜ遺言を書かないのか?「遺言=終活」の誤解を解く新常識

目次

はじめに:「遺言」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

「遺言って、お年寄りが亡くなる直前に書くものでしょ?」
「縁起でもないから、考えたくない」
「うちは財産もそんなにないし、必要ないよ」

…そんな声をよく耳にします。実際に、文化庁や日弁連などが発表している調査でも、日本における遺言作成率は10%未満とも言われており、諸外国(欧米では40~50%程度)と比べても極端に低いのが現状です。

しかし、これは「遺言=死を連想させる終活アイテム」という誤解が根強く残っていることが大きな原因です。

本シリーズでは、この誤解を解きながら、「元気なうちに遺言を書くこと」の本当の意味とメリットを、具体的な視点から掘り下げていきます。

遺言=終活ではない。人生を表現する一つの手段

遺言は、単なる「死の準備」ではありません。むしろ、自分の生き方や想いを形にして残す人生のアウトプットです。

・お世話になった人に感謝を伝えたい
・家族に争いが起きないようにしたい
・自分の想いを、次の世代にバトンとして渡したい

こうした思いを込められるのが、遺言というツールの本質なのです。

欧米では、比較的若いうちから「Will(遺言)」を書く文化があります。日本でも「エンディングノート」などの普及により、その兆しはありますが、まだまだ一般的ではありません。

日本で遺言が普及しない3つの理由

①「まだ早い」と思ってしまう

「自分はまだ元気だから大丈夫」という思い込みが、先送りを招きます。しかし、事故や病気はいつ起こるかわかりません。30代・40代の方でも、親の介護や子どもの将来を考えるタイミングで書いておく意義は大きいのです。

②「財産がないから必要ない」と思ってしまう

たとえ大きな資産がなくても、家族構成が複雑なケースや、思いを伝えたい相手が法定相続人でない場合(事実婚、内縁、再婚など)では、遺言があることで将来のトラブルを回避できます。

③「死を連想させるから縁起でもない」と思ってしまう

これは特に日本独自の文化的な感覚ですが、実際には「書いて安心」「書いて前向きになった」という声も多く聞かれます。遺言を書くことが、逆に「今をどう生きるか」を見つめ直すきっかけにもなるのです。

これからの時代、「遺言を書くこと」が当たり前になる?

少子高齢化・非婚化・多様な家族形態の中で、遺言はますます重要になってきています。

特に注目したいのが、2020年から始まった「自筆証書遺言の法務局保管制度」
(※「自筆証書遺言の法務局保管制度」についてはこちらのブログをご覧ください。)

これにより、費用を抑えて、法的にも安心して遺言を保管できる環境が整ってきました。
今後は「遺言を書くこと」=「備えの一環」という感覚が一般化するでしょう。

おわりに:「書くこと」が人生の転機になる

遺言は、人生の終わりに書くものではなく、人生を整理し、未来を見据えるタイミングで書くものです。

あなたも、「まだ早い」と思っていたかもしれません。
でも、いま書くことで、守れる未来があります。

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