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遺言書は「書くこと」がゴールではありません
「家族のために、遺言書を一生懸命書いた。これで一安心だ」
そう思っている方のうち、実はかなりの割合で、「法的に不備がある」あるいは「内容が不適切で結局揉めてしまう」遺言書が作られているのが現実です。
遺言書は、1文字のミス、1か所の押印漏れで、その部分が無効になってしまう非常に繊細な書類です。
また、形式は完璧でも、書き方が曖昧なために、あなたの死後に残された家族が「これはどういう意味だ?」と争い始めてしまうケースも後を絶ちません。
今回は、よくある「遺言書の失敗パターン」を徹底的に分析し、あなたの想いを確実に届けるための最終チェックポイントを説します。
2019年・2020年の法改正によって、自筆証書遺言のルールは大きく変わりました。
最新のルールに基づいた「絶対に失敗しない遺言書」の作り方を、今一度確認していきましょう。
【形式編】これだけで無効!
やってしまいがちな「うっかりミス」
まずは、内容以前の問題である「形式」の失敗です。
特に自筆証書遺言(自分で書く遺言)において、以下のミスは致命的です。
≪失敗1≫
日付が「〇月吉日」になっている
遺言書において、作成年月日は必須事項です。
しかし、日本の慣習で「令和7年12月吉日」などと書いてしまう方がいますが、これは一発で無効になります。
日付は、遺言者がその時点で判断能力を持っていたか、また複数の遺言書がある場合にどちらが最新かを判断する重要な基準だからです。
必ず「〇年〇月〇日」と特定できるように書いてください。
≪失敗2≫
署名・押印を忘れている(または共有している)
署名と押印も必須です。
よくあるのが「夫婦で1枚の紙に連名で書く」ケースですが、これは「共同遺言の禁止」というルールに抵触し、無効となります。
遺言書は必ず一人一枚、個別に作成しなければなりません。
また、押印は実印が望ましいですが、認印や指印でも有効とされています。
ただし、偽造を疑われないためには実印+印鑑証明書のセットが最強です。
≪失敗3≫
財産目録に署名・押印がない
2019年の法改正により、自筆証書遺言でも「財産目録(土地の所在や銀行口座のリスト)」については、パソコン作成や通帳のコピーの添付が認められるようになりました。
しかし、「添付した目録の全ページに署名と押印が必要」というルールを忘れる方が非常に多いです。
これを忘れると、目録部分が無効になり、結局何を相続させるのか分からなくなってしまいます。

【内容編】良かれと思った一言が
「争いの火種」になる
形式が完璧でも、内容が曖昧だと手続きがスムーズに進みません。
≪失敗4≫
不動産の特定が不十分
「自宅の土地と建物を長男に譲る」 一見、分かりやすい表現ですが、これでは法務局での名義変更(登記)ができません。
遺言書には、権利証(登記済証)や登記事項証明書を確認し、「所在、地番、地目、地積」を正確に記載する必要があります。
「自宅」という言葉だけでは、隣接する私道や未登記の物置が含まれるのかどうかで揉める原因になります。
≪失敗5≫
「任せる」「預ける」という曖昧な表現
「私の後のことは長女に任せる」 「先祖代々の土地は長男に預ける」 こうした日本的で優しい表現は、法律の世界では命取りになります。
「任せる」とは、相続させるという意味なのか、それとも管理だけを頼むという意味なのかが不明確だからです。
手続きを確実にするためには、「相続させる」または「遺贈する」という法的用語を正しく使うべきです。
≪失敗6≫
予備的遺言を書いていない
「妻に全財産を相続させる」とだけ書いた場合。
もし、あなたより先に、あるいはあなたと同時に妻が亡くなってしまったら、その遺言書はどうなるでしょうか?
答えは、「その部分は無効になり、原則通り相続人全員で遺産分割協議が必要になる」です。
「もし妻が先に亡くなっている場合は、長女に相続させる」といった予備的遺言を書いておくことで、二段構えの安心を確保できます。
【実務編】死後の手続きで詰む
「遺言執行者」の不在
遺言書は、書いた通りに実行されて初めて意味を持ちます。
≪失敗7≫
遺言執行者を指定していない
遺言書の中で、内容を実行する責任者である「遺言執行者」を指定していないと、死後の手続きが非常に大変になります。
例えば、銀行預金の解約には、相続人全員の署名・捺印が必要になるケースがありますが、遺言執行者がいれば、その一人のハンコで手続きが進められます。
せっかく「特定の誰かに多く渡す」と書いたのに、手続きのために反対している親族に頭を下げてハンコをもらいに行かなければならない……
という本末転倒な事態を防ぐために、信頼できる専門家を遺言執行者に指定しておくべきです。

≪失敗8≫
遺留分を完全に無視している
以前にも解説しましたが、配偶者や子供には、最低限の取り分である「遺留分」があります。
「愛人に全財産を」といった、遺留分を完全に無視した遺言は、ほぼ確実に「遺留分侵害額請求」という金銭トラブルを引き起こします。
完全に無視するのではなく、あらかじめ遺留分相当額の現金を確保しておくか、付言事項で納得してもらう努力が必要です。

【保管編】見つからない、
または捨てられるリスク
最後は、保管の問題です。
≪失敗9≫
隠しすぎて見つからない(または破棄される)
「誰にも見つからないように、仏壇の奥の隠し引き出しに入れておこう」 これでは、あなたが亡くなった後に発見されず、結局遺言書がないものとして遺産分割が進んでしまいます。
逆に、不都合な内容が書かれている場合に、発見した親族によって「破棄」や「改ざん」されるリスクもゼロではありません。

≪失敗10≫
検認が必要なことを家族が知らない
自筆証書遺言を自宅で保管していた場合、見つけた家族は勝手に開封してはいけません。
家庭裁判所での「検認」手続きが必要です。
これを知らずに開封してしまったり、手続きを放置したりすると、過料(罰金)が科されるだけでなく、銀行などの手続きも一切進みません。

失敗を防ぐための「行政書士式」
最終チェックリスト
これまで挙げた失敗例を回避するために、作成した遺言書を以下の基準でセルフチェックしてみてください。
- 自筆・日付・署名・押印の4点セットは揃っているか?
- 財産目録の全ページに署名・押印があるか?
- 不動産は登記簿謄本通りに記載されているか?
- 「相続させる」という明確な言葉を使っているか?
- 受取人が先に亡くなった場合の予備的遺言はあるか?
- 遺留分に対する配慮、または対策ができているか?
- 遺言執行者(専門家がベスト)を指定しているか?
- 家族への想い(付言事項)は書き添えられているか?
- 保管場所を信頼できる人に伝えているか(または法務局に預けているか)?
- 公正証書にする検討は十分に行ったか?
もし、一つでも「不安だ」と思う箇所があれば、それは将来のトラブルの種かもしれません。
究極の失敗回避策は
「公正証書遺言」にあり
ここまで自筆証書遺言の失敗例を中心に見てきましたが、これらすべてのリスクを劇的に減らす方法が一つだけあります。
それが、「公正証書遺言」にすることです。
- 形式不備がゼロ
公証人が法律に基づいて作成するため、形式で無効になることはありません。 - 原本を公証役場が保管
紛失、破棄、改ざんの恐れがありません。 - 検認が不要
亡くなった後、すぐに手続きを開始できます。 - 判断能力の担保
公証人が本人と面談するため、後に「ボケていた時に無理やり書かされた」という主張を退けやすくなります。
「費用がかかるから」「面倒だから」という理由で自筆を選ぶ方も多いですが、死後に家族が支払うことになる「争いのコスト」に比べれば、公正証書の費用は非常に安い投資です。
行政書士は、あなたが公正証書遺言を作成するための「文案」を一緒に作り、証人として立ち会い、公証人との煩雑な打ち合わせをすべて代行します。
いわば、遺言書というバトンの「伴走者」です。
よくある質問(FAQ)
遺言書を「最高の贈り物」にするために
遺言書作成の長い道のり、お疲れ様でした。
最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 遺言書は、日付の書き方や押印一つで無効になるリスクがある非常にデリケートな書類です。
- 「相続させる」などの法的用語を使い、不動産は登記情報に基づいて正確に特定しなければなりません。
- 遺留分を無視した内容は、死後に親族間で金銭トラブルを招く可能性が高いです。
- スムーズな手続きのためには、遺言執行者の指定と、予備的遺言の記載が不可欠です。
- 自筆証書遺言保管制度や公正証書遺言を活用することで、紛失や無効のリスクを最小限に抑えられます。
- 最後に添える付言事項が、法律を超えて家族の絆を守る「心の鍵」となります。
遺言書は、あなたが家族に宛てた「最期のメッセージ」です。
そのメッセージが、不備によって誰にも届かなかったり、誰かを傷つけたりするのは、あまりにも悲しいことです。
「これで大丈夫かな?」という小さな不安を、プロの目で「安心」に変えませんか?
当事務所では、あなたの想いを100%形にし、未来の家族に笑顔を届けるお手伝いをしています。
一人で悩まず、まずは気軽な相談から始めてみてください。
あなたの丁寧な一歩が、残された家族にとっての最大の救いとなるはずです。
あなたの「終活」が、より豊かで安心できるものになることを、心より願っております。
