【経管の壁を突破】建設業許可の最重要要件「常勤役員等」を徹底解説!令和2年法改正後の「補佐体制」と東京都での証明戦略

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目次

建設業許可の成否を握る「常勤役員等」の要件

建設業許可を取得するための要件の中で、最も審査が厳しく、多くの事業者がつまずくのが「経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する者」、通称「経管(けいかん)」、現在の正式名称である「常勤役員等」の要件です。

これは、単に社長や役員であるというだけではなく、「建設業の経営者としての資質と経験」を有することを証明するものです。

特に、平成28年の法改正以降、経営者の実体性を問う審査は年々厳格化しており、東京都の窓口では、書類の整合性や常勤性のチェックが徹底されています。

この記事では、東京都が定める最新の手引に基づき、「常勤役員等」の要件について、経営経験の「2つの主要ルート」、新設された「補佐体制」の詳細、そして東京都で許可を得るための確実な証明戦略を徹底的に解説します。

経営業務の管理責任者?
その役割と法的定義

建設業法は、建設業を営む者に適切な経営能力を求めており、その能力を担保する人物が「常勤役員等」です。

経管が担うべき「経営業務」の範囲

経管に求められる「経営業務」とは、現場の技術や施工管理ではなく、企業全体の経営に関わる以下の4つの重要な業務を指します。

経管は、これらの業務を総合的に管理・執行した経験があることが求められます。

  1. 資金の調達及び管理
    金融機関からの融資や資金繰り計画など、財務に関する業務。
  2. 技術者及び技能者の配置の決定
    工事に必要な人員配置や採用計画など、人事に関する業務。
  3. 下請業者との契約の締結
    資材の調達や外注契約など、法的な契約実務に関する業務。
  4. その他、経営業務全般
    工事の請負契約締結、リスク管理、広報・営業戦略など。

常勤性の要件とチェックポイント

常勤役員等は、申請する営業所に常勤していることが必須です。

  • 常勤の定義
    原則として、本社や営業所に毎日勤務し、専ら職務に従事している状態を指します。
  • 兼任の原則禁止
    他社の代表取締役や、他の営業所の専任技術者など、他の職務と両立できない地位との兼任は原則として認められません。
  • 証明方法
    常勤性は、健康保険・厚生年金保険の被保険者証の写しや、給与の支払状況を示す源泉徴収票などで確認されます。
    住民票や生活実態が営業所から著しく遠い場合も、常勤性が疑われることがあります。

「2つの主要ルート」と年数要件
(令和2年改正対応)

許可を得るための要件は、大きく分けて「従来の経験ルート」と「補佐体制ルート」の2つがあります。

≪ルート1(イ(1))≫
従来の5年間の経営経験

最も一般的なルートであり、以下のいずれかの経験が必要です。

  • 役員経験
    可を受けようとする法人の役員(取締役など)、または個人事業主の事業主として、5年以上の建設業の経営業務の管理経験。
  • 支配人経験
    建設業を営む法人の支配人として、5年以上の経営業務の管理経験。

≪重要≫
かつては「申請業種と同一業種での経験」が必要でしたが、令和2年10月1日の改正により、「建設業であること」が証明できれば、他業種での経営経験でも認められるようになりました。

≪ルート2(イ(2)・イ(3))≫
新設された「補佐体制」による証明

令和2年改正で新設されたこのルートは、従来の5年経験がない事業者のための救済策として導入されましたが、証明が複雑です。

1. 経験年数5年の役員等(イ(2))

  • 要件
    役員等に次ぐ職制上の地位にあり、取締役会などの決議により、特定の事業部門の業務執行権限の委譲を受けた者で、かつその業務執行経験が5年以上あること。
  • 証明
    取締役会議事録や業務分掌規程など、権限委譲の事実を示す書類の提出が必須です。

2. 経験年数6年の直接補佐者(イ(3))

  • 要件
    常勤役員等を直接補佐する者として、6年以上、経営業務全般について「直接補佐した経験」があること。
  • 「直接補佐」の定義
    資金調達、技術者・技能者の配置、下請業者との契約締結など、経営判断に関わる重要な業務全般に関与し、その判断を直接補佐していたことを指します。
  • 証明
    6年間の経験を証明する書類に加え、補佐業務を行った事実を示す稟議書、決裁文書、組織図など、業務関与の客観性を裏付ける資料が大量に必要となります。
    単なる事務職や経理担当者としての勤務経験だけでは認められません。

【東京都知事許可】
経験を裏付けるための厳格な証明戦略

東京都の建設業課は、形式的な書類だけでなく、経営の実態を重視します。

証明書類の準備には、極めて高い専門性が求められます。

経験期間を証明する「公的な資料」の収集

経験期間の連続性や常勤性を公的に証明するために、以下の資料を収集・整理します。

  1. 法人役員の場合
    登記事項証明書(役員履歴)、当該期間の確定申告書・決算報告書(建設業の実績があることの証明)。
  2. 個人事業主の場合
    確定申告書(建設業としての申告がされていること)、所得税青色申告決算書。
  3. 常勤性の証明
    その期間の健康保険・厚生年金保険の被保険者証の写し、または標準報酬決定通知書。

≪注意≫
公的な資料が途切れている期間は、原則として経験期間として認められません。

経営実態と権限を証明する「資料」の整備

常勤役員等や補佐者が、単なる名義貸しではないことを証明するために、実態を裏付ける資料が必要です。

  • 業務執行権限の証明
    組織図、業務分掌規程、経営会議や取締役会の議事録。
  • 実務関与の証明
    大規模工事の契約書や請求書の控え、資金借入の稟議書、人事に関する辞令など、経営判断に関わった証拠。

これらの内部資料は、提出義務がない場合でも、審査官から追加提出を求められることがあり、事前に整備しておくことが成功の鍵となります。

経管の配置でよくある
3つの失敗事例と対策

≪失敗1≫
他社役員との兼任による「常勤性」の喪失

最も多い失敗事例は、申請法人の役員が、親会社や関連会社の役員も兼任しているケースです。

  • 原則
    経管は「主たる営業所」に常勤している必要があります。
    2社以上で常勤と認められるのは極めて例外的です。
  • 対策
    他社役員を退任し、健康保険証を申請法人に一本化するなど、申請法人での常勤実態を証明できる状態にしておく必要があります。

≪失敗2≫
「名義貸し」と判断されるリスク

経験年数や常勤性は満たしていても、実際の経営判断に関わっていないと判断されると不許可となります。

  • リスク
    家族や高齢の親族を「名義貸し」で役員に据える行為は、欠格要件(不正行為)に該当する可能性があり、絶対に避けるべきです。
  • 対策
    必ず経営実態のある人物を常勤役員等とし、前述の内部資料によって実務関与を裏付けます。

≪失敗3≫
経験年数の証明における「書類の不整合」

経管経験の証明期間が、確定申告書や登記簿の情報と数カ月でもズレている場合、都庁の審査では厳しく追及されます。

  • 原因
    個人事業主から法人成りした際のブランクや、役員交代時の登記の遅れなどが原因となります。
  • 対策
    行政書士による綿密な時系列調査を行い、公的書類の開始日・終了日と、申請書記載の期間に1日たりとも矛盾がないことを確認することが必須です。

この記事のまとめ

建設業許可を取得する上で、常勤役員等(経管)の要件は、企業の信頼性、継続性、そして法的な適格性を証明する「背骨」です。

特に、東京都で許可を目指す場合、「常勤性」と「経営経験の実体」が厳しく審査されるため、公的書類と内部資料を整合性を持って整備する戦略が不可欠となります。

  • 常勤役員等(経管)は、建設業の経営業務全般について5年以上の経験を有するか、6年以上の直接補佐経験がある者でなければなりません。
  • 令和2年法改正で新設された「補佐体制」は、経験年数が不足する場合の代替ルートですが、業務執行権限の委譲や6年間の補佐実務を裏付ける複雑な書類が必要です。
  • 経管には、申請営業所への常勤性が求められ、健康保険証や給与の支払い状況などで他の職務との兼任がないことを証明する必要があります。
  • 経験の証明には、登記事項証明書、確定申告書といった公的書類に加え、組織図、稟議書など経営への実体的な関与を示す内部資料の整備が必須です。
  • 常勤役員等(経管)の証明は、建設業許可申請における最大の難関であり、専門家による事前シミュレーションと書類の整合性チェックが、無駄な時間と手数料のロスを防ぐ最善の策です。

この複雑な法的要件を乗り越え、確固たる経営基盤を築くためにも、常勤役員等の経験証明の段階から専門家である行政書士と連携し、「経営実態と証拠の整合性」という鉄壁の準備を整えることが、あなたの事業を次のステージへと進める確かな一歩となるのです。

💡ご相談は下記からお気軽にお問い合わせください。

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