「カフェを開きたい」「ラーメン店を出したい」
そんな夢の第一歩として必要になるのが、「飲食店営業許可」です。
飲食店を開業するには、食品衛生法に基づく営業許可を保健所から取得する必要があります。
「物件が決まったらすぐオープンできる」と思っていると、開業が遅れてしまうケースも多いため、事前に手続きの流れとポイントを押さえておくことが大切です。
この記事では、行政書士の視点から、飲食店営業許可を取るための流れ・必要書類・注意点をわかりやすく解説します。
飲食店営業許可とは?
飲食店営業許可は、食品衛生法第52条に基づく「食品衛生法上の営業許可」の一種で、食品を調理・提供するすべての店舗に必要な許可です。
営業許可は自治体ごとに管理されており、原則として開業する地域の管轄保健所に申請します。
許可が必要な店舗の例
以下のような業態では、原則として飲食店営業許可が必要になります:
- レストラン、カフェ、居酒屋、ラーメン店
- 弁当販売店(店内調理あり)
- パン屋(カフェスペースあり)
- フードトラック・キッチンカー(調理を伴う場合)
※自動販売機のみの設置や完全包装済み商品のみの販売など、一部例外もあります。
飲食店営業許可取得の流れ
飲食店営業許可の取得には、おおよそ2〜3週間の期間が必要です。以下の手順で進めます。
1. 物件・設備の選定
まずは、営業予定の物件が営業許可の基準に合致するかを確認しましょう。
- 調理場と客席の区画分離
- 手洗い・給排水設備の設置
- 冷蔵・冷凍庫の容量
- 衛生的な内装・床材の使用
保健所によって基準が微妙に異なることもあるため、内装工事の前に事前相談することが必須です。
2. 管轄保健所への事前相談
図面(平面図・設備図)とメニュー案を持って、保健所へ事前相談します。
ここで問題点を事前に確認しておくことで、後の修正を避けることができます。
3. 食品衛生責任者の設置
営業許可を取得するには、食品衛生責任者を1名以上配置する必要があります。
以下のいずれかに該当する必要があります:
- 栄養士・調理師・製菓衛生師などの有資格者
- 食品衛生責任者養成講習会を修了した者
※資格がない場合は、講習会の予約を早めにしておきましょう。
4. 書類の準備と申請
以下のような書類を準備し、申請書とともに保健所へ提出します。
- 営業許可申請書
- 施設の平面図
- 水質検査成績書(井戸水の場合)
- 食品衛生責任者の資格証明書
- 申請手数料(15,000〜20,000円程度)
申請後、1週間〜10日前後で保健所の施設検査が行われます。
5. 保健所の施設検査
保健所の職員が店舗を訪れ、設備や衛生状況を確認します。
問題がなければ、その場で検査合格となり、営業許可証が発行されます。
よくある注意点・落とし穴
● 内装工事後に「許可が取れない」と言われる
設備の配置や素材が基準を満たしていないと、営業許可が下りません。
工事前に必ず保健所に相談することが重要です。
● 食品衛生責任者講習が満員で受けられない
繁忙期(春・秋)などは講習予約が取りづらくなります。
早めにスケジュールを押さえておきましょう。
● 法人登記の住所と営業場所が一致していない
会社の登記上の本店と、実際の店舗所在地が異なる場合には、別途注意が必要な場合があります。
行政書士に依頼するメリット
- 事前相談から書類作成・図面作成までトータルサポート
- 保健所との折衝も代行可能
- 会社設立や深夜営業届など、他の手続きもまとめて依頼できる
飲食店開業には、営業許可だけでなく、深夜営業届出、酒類販売業免許、会社設立など複数の行政手続きが必要になることもあります。
行政書士に依頼すれば、開業準備をトータルでサポートすることが可能です。
まとめ
飲食店を始めるには、まず「飲食店営業許可」を取得しなければなりません。
申請には事前準備が必要で、早い段階から計画的に進めることが成功のカギとなります。
✅ 物件の段階で保健所へ事前相談
✅ 食品衛生責任者を早めに確保
✅ 書類と図面は正確に作成
行政書士は、店舗開業の最初の一歩をサポートするパートナーです。
飲食店開業を検討されている方は、まずお気軽にご相談ください。