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しかし、アカデミックな心理学の知見に基づき、「その焦りこそが、あなたの幸福を妨げている」と説くのが、しずかみちこ(静香道子)氏の著書『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても、人生に迷わなくなる4つのステップ』です。
本書は、無理に目標を作ることの弊害を説き、「目標がなくても満足度の高い人生」を送るための具体的なメソッドを提示しています。
現代人を追い詰める
「やりたいこと探し」
なぜ、これほどまでに私たちは「やりたいこと」に執着してしまうのでしょうか。
まずはその社会的・心理的な背景を客観的な視点から分析します。
自己実現の罠と「情熱のパラドックス」
心理学の研究では、「情熱を持って取り組むべきものを見つけなければならない」という強いプレッシャー(情熱のパラドックス)が、かえって個人の幸福度を下げ、燃え尽き症候群を引き起こす可能性が指摘されています。
昨今のキャリア教育やビジネス書市場では「好きを仕事に」というメッセージが強調されすぎています。
これにより、「好きなことがない=欠落している」という誤った自己認識が社会全体に広がっているのです。

日本人の幸福感と「目標」の関係
内閣府の「満足度・生活の質に関する調査」などのデータを見ると、日本人の生活満足度において「将来の展望(目標)」があることは一つの指標にはなりますが、それ以上に「日々の生活の中での自律性(自分で決めている感覚)」や「身近な人との繋がり」が幸福感に直結していることがわかります。
本書は、遠い未来の大きな目標よりも、この「今、ここ」の質を高めることに焦点を当てています。
著者・しずかみちこ氏について
本書が他の自己啓発本と決定的に異なるのは、著者が心理学博士(専門はポジティブ心理学、ウェルビーイング)であるという点です。
アカデミックな知見に基づく「納得感」
著者のしずかみちこ氏は、単なる個人の成功体験を語るのではなく、数多くの心理学研究や論文をベースに執筆しています。
例えば、自己決定理論(Self-Determination Theory)や、フロー体験、マインドフルネスといった概念が、非常に噛み砕かれた形で生活に落とし込まれています。
寄り添う文体と「根拠」のバランス
ダイヤモンド社から出版されている多くのビジネス書が「攻め」の姿勢であるのに対し、本書は非常に「守り」と「癒やし」に満ちたトーンで書かれています。
それでいて、感情論に終始せず、「なぜそう考えるのが合理的なのか」という根拠が明示されているため、ロジカルな思考を好む読者にも深く刺さる内容となっています。
人生を楽にする
「4つのステップ」の徹底解析
本書のメインコンテンツである、迷いをなくすための「4つのステップ」について、その論理構造を詳しく解説します。
<ステップ1>
やりたいこと、という「呪い」を解く
最初のステップは「アンラーニング(学習棄却)」です。
世間から刷り込まれた「目標至上主義」の価値観を一度リセットします。
著者は、目標を持つことのメリットを認めつつも、それが「執着」になった瞬間に、人生の柔軟性が失われることを警告しています。
<ステップ2>
自分の「価値観」を知る
「何を成し遂げるか(Doing)」ではなく、「どうありたいか(Being)」を定義します。
目標:年収1,000万円を達成する(達成したら終わる、達成できないと不幸)
価値観:誠実でありたい、挑戦を楽しみたい(今この瞬間から体現できる)
価値観に沿って生きることは、結果に左右されない持続可能な幸せをもたらします。
<ステップ3>
日々の「プロセス」をデザインする
大きなゴールを目指すのではなく、日々の行動そのものが報酬となる状態を作ります。
これは心理学でいう「内発的動機付け」を高める作業です。
特別なことではなく、掃除、料理、仕事のメール対応など、日常の些細なプロセスの中に「自分なりの意味」を見出す手法が具体的に示されています。

<ステップ4>
迷いの中に「自分の軸」を通す
最後のステップでは、外からの評価や変化に惑わされない、しなやかな自分軸を構築します。
やりたいことがなくても、自分の価値観(Being)が明確であれば、目の前の選択に迷うことはなくなります。
目標型とプロセス型の比較
本書の理論をより深く理解するために、従来の成功法則と本書の提案を対比させます。
| 項目 | 従来の「目標型」人生観 | 本書が提唱する「プロセス型」 |
| 幸福の定義 | 目標を達成した時に得られる | 今、価値観に沿って動いている状態 |
|---|---|---|
| モチベーション | 未来の報酬(アメとムチ) | 行動そのものの楽しさ(内発的) |
| 挫折のリスク | 目標未達時に自己肯定感が崩壊 | 失敗もプロセスの一部として受容可能 |
| 周囲との関係 | 競争や比較になりやすい | 自分の軸があるため比較が減る |
プロセス型が現代に適している理由
VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)と言われる現代では、立てた目標が外部環境によって簡単に無効化されます。
そんな時代において、外部に依存する「目標」を唯一の杖にするのはリスクが高いのです。
「どんな状況でも自分の価値観を体現する」というプロセス型の生き方は、最強のメンタル防衛策となります。
本書を実践する
具体的なワークと注意点
本書には、読者がすぐに取り組めるワークも紹介されていますが、それらを効果的に進めるためのポイントを補足します。
「価値観カード」の活用
自分が大切にしている言葉をリストから選ぶワークがあります。
「自由」や「快楽」が上位に来ても、それを肯定することから本当の自己理解が始まります。
ここで重要なのは、「社会的に良しとされる価値観」ではなく「本音の価値観」を選ぶことです。

過度な「意味付け」をしない
「全ての行動に意味を見出さなければ」と真面目に考えすぎると、それもまた新しい「呪い」になってしまいます。
著者は、時には「ただぼーっとする時間」の価値も認めています。
他の本との併読による相乗効果
以前ご紹介した八木仁平氏の『「やりたいこと」の見つけ方』や森岡毅氏の『苦しかったときの話をしようか』と本書を比較・併読することで、より多角的な視点が得られます。
- 八木氏の本
論理的に「やりたいこと」を特定したい時に有効。

- 森岡氏の本
市場価値を高め、残酷な世界を勝ち抜く戦略が必要な時に有効。

- 本書(しずか氏)
それらの「攻め」の戦略に疲れた時、あるいは目標を持つこと自体に違和感がある時に、心のバランスを取り戻すために読むべき一冊。
この3冊は、キャリア形成における「矛と盾」のような関係です。
どれが正しいかではなく、今の自分の心の状態に合わせて選ぶのがベストです。
読者の口コミ分析
ネット上のレビューやSNSでの反応を分析すると、本書は特に「真面目で、自分を追い込みやすい層」から圧倒的な支持を得ています。
高い評価を得ているポイント
- 「読み終わった後、深呼吸したくなった。」
- 「目標がない自分を責めるのをやめられただけで、毎日が楽しくなった。」
- 「具体的で、かつ優しい。学術的な裏付けがあるので説得力が違う。」
留意すべき点
- 「バリバリと目標を達成して成長したい時期の人には、少し物足りないかもしれない。」
- 「現状維持を肯定する本だと誤解される可能性があるが、実際は『より良く生きるための戦略転換』の本である。」
人生に「正解」の形はない
『「やりたいこと」はなくてもいい。』は、私たちが長年抱えてきた「何者かにならなければならない」という重荷を下ろしてくれる一冊です。
目標を持つことは素晴らしいことですが、それがないからといってあなたの価値が下がるわけではありません。
自分の価値観を大切にし、今日という一日のプロセスを丁寧に生きる。
それだけで、人生は十分に価値があり、迷いのないものになります。
もし、あなたが今、やりたいこと探しという終わりのない旅に疲れているなら、ぜひ本書を手にとってみてください。
その旅を終わらせる勇気と、新しい歩き方がそこには記されています。
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