【遺言書作成で失敗しないための5つの鉄則と注意点】無効・トラブルを防ぐ「遺留分」と「遺言執行者」の完全解説

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目次

「書いただけ」では終わらない。その遺言書、本当に使えますか?

「遺言書を書いたから、これで安心だ」 そう思っているなら、少し立ち止まってください。

実は、せっかく書いた遺言書が、死後に「法的に無効」と判断されたり、内容は有効でも「銀行や法務局で手続きに使えない」という事態に陥ったりするケースが後を絶ちません。

遺言書は、あなたの想いを実現する最強の法的ツールですが、それは「法律のルールに従って完璧に作成されていること」が大前提です。

特に、自分で書く「自筆証書遺言」の場合、日付の書き方ひとつ、訂正印の位置ひとつで、すべてが紙屑になってしまうリスクがあります。

また、形式が正しくても、内容が不公平すぎると、残された家族の間で「遺留分(いりゅうぶん)」を巡る泥沼の争いを引き起こしかねません。

この記事では、行政書士が、遺言書作成における「形式上の絶対ルール」から、トラブルを未然に防ぐための「遺留分対策」、そして手続きを確実に実行するための「遺言執行者」の重要性まで徹底的に解説します。

最も手軽な「自筆証書遺言」ですが、民法968条の要件を満たしていないと無効になります。

ここでは、特によくあるミスと、法改正による緩和措置について解説します。

1. パソコンで書いてしまった
(※財産目録を除く)

≪原則≫

自筆証書遺言は、その名の通り「全文」を自書(手書き)する必要があります。

パソコン、代筆、音声録音は一切認められません。

≪最新の法改正ポイント≫

財産目録の緩和 2019年の民法改正により、遺言書に添付する「財産目録(不動産や預貯金の一覧表)」に限っては、パソコン作成や通帳のコピー、登記事項証明書の添付でも認められるようになりました。

≪注意点≫

パソコンで作成した目録であっても、すべてのページ(裏表含む)に署名・押印をしなければ無効となります。本文はこれまで通り、すべて手書き必須です。

2. 日付が特定できない
(「吉日」はNG)

遺言書には、作成日を「令和〇年〇月〇日」と正確に記載しなければなりません。

  • NG例
    「令和7年3月吉日」「還暦の誕生日に」
  • 理由
    遺言能力の有無や、複数の遺言書があった場合にどちらが新しいか(有効か)を判断するために、日付の特定が不可欠だからです。

3. 署名・押印が不適切

戸籍上の氏名を自署し、印鑑を押す必要があります。

  • 印鑑の種類
    法律上は認印や拇印でも有効とされていますが、死後の手続き(不動産登記など)においてトラブルになる可能性があるため、実印の使用を強く推奨します。
  • 夫婦共同遺言の禁止
    一つの紙に夫婦二人が連名で署名・押印して遺言を書くことは、民法で禁止されており、無効となります。(民法975条)
    必ず一人一通作成してください。

4. 訂正方法が間違っている
(最も多いミス)

書き損じた場合の訂正方法は、民法で極めて厳格に定められています。

「二重線を引いて訂正印を押す」だけでは不十分です。

  1. 訂正箇所を二重線で消し、変更後の文字を書き、印を押す。
  2. さらに、欄外や末尾に「〇行目〇字削除、〇字加入」と付記して署名する。

この方式を守れていない訂正は無効とみなされ、訂正前の内容が有効、あるいは遺言全体が無効になるリスクがあります。

間違えた場合は、新しい紙に書き直すのが最も安全です。

5. 内容が曖昧で特定できない

「自宅を長男に譲る」「預金の一部を妻に」といった曖昧な表現は、手続きができなくなる原因です。

  • 不動産
    登記事項証明書通りに「所在、地番、家屋番号」などを正確に記載する。
  • 預貯金
    銀行名、支店名、口座種別、口座番号まで特定する。

形式が正しくても、内容が特定の相続人に極端に偏っている場合、死後に大きなトラブルになります。

それが「遺留分(いりゅうぶん)」の問題です。

遺留分とは?
「最低限の取り分」を保証する権利

遺言書があれば、原則として自由に財産を処分できます(例:「愛人に全財産を譲る」等)。

しかし、残された家族(兄弟姉妹を除く相続人)には、生活保障のために最低限受け取れる遺産の割合が法律で保証されています。

これを遺留分といいます。

  • 遺留分が認められる人
    配偶者、子(代襲相続人含む)、直系尊属(親)。
  • 遺留分がない人
    兄弟姉妹、甥・姪。

「遺留分侵害額請求」という爆弾

もし、遺言書で遺留分を侵害された相続人がいた場合、その人は財産を多く受け取った人に対して、「遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)」を行うことができます。

これは、「私の遺留分に相当する額を金銭で支払ってください」という請求です。

≪リスク≫
不動産などの分けにくい財産を受け取った受遺者が、多額の現金を請求され、支払いのために不動産を売却せざるを得なくなるケースがあります。

行政書士が教える対策
付言事項と生命保険の活用

  1. バランスの調整
    遺留分を侵害しない範囲で配分を考える。
  2. 生命保険の活用
    生命保険金は原則として遺産分割の対象外(受取人固有の財産)となるため、遺留分算定の基礎財産から外れる効果を利用して、実質的な公平を図る。
  3. 付言事項(ふげんじこう)の活用
    法的な効力はありませんが、なぜそのような配分にしたのか、遺言者の「想い」を記すことで、遺留分請求を思いとどまらせる効果が期待できます。

遺言書を作成する際、絶対に忘れてはならないのが「遺言執行者(ゆいごんしっこうしゃ)」の指定です。

これがないと、せっかくの遺言書が絵に描いた餅になりかねません。

遺言執行者とは?その強大な権限

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為(預金の解約、不動産の名義変更、株式の名義書換など)をする権限を持つ人のことです。

≪遺言執行者が「いる」場合≫

  • 遺言執行者が単独で、銀行手続きや法務局での登記手続きを行えます。
  • 他の相続人は、遺産処分を妨害する行為ができなくなります。

≪遺言執行者が「いない」場合≫

  • 手続きのたびに、相続人全員の署名・実印・印鑑証明書が必要になるケースがあります。
  • 特に、相続人の中に非協力的な人がいる場合、手続きがストップしてしまいます。

2019年民法改正で権限が明確化

法改正により、遺言執行者の権限がより明確化・強化されました。(民法1012条等)

遺言執行者が指定されている場合、特定財産承継遺言(特定の財産を特定の人に継がせる遺言)による不動産登記は、相続人が勝手に行うことはできず、遺言執行者が行うことになります。(対抗要件の具備)

誰を遺言執行者にすべきか?

未成年者と破産者以外であれば、誰でもなれます。

相続人の一人(例えば、財産を多く受け取る長男など)を指定することも可能です。

しかし、手続きの公平性や複雑さを考慮すると、行政書士や弁護士、信託銀行などの専門家を指定するのが最も確実で安心です。

専門家を指定しておけば、死後の面倒な手続きを家族にさせずに済みます。

法律的な効力(財産の配分など)を持つ部分を「本文」というのに対し、家族へのメッセージを記す部分を「付言事項」といいます。

法的効力はなくても、心理的拘束力は絶大

付言事項には、「ありがとう」という感謝の言葉や、「兄弟仲良くしてほしい」「なぜ長男に多く残したのか」という理由を書くことができます。

裁判例や実務経験上、この付言事項があるかないかで、相続人の納得感は大きく変わります。

≪感動的な付言事項の例≫

「長男の〇〇は、長年にわたり私の介護をしてくれました。その苦労に報いるため、自宅を相続させます。二男の△△は、その点を理解し、これからも兄弟助け合って生きていってください。二人とも、私にとって自慢の息子です。ありがとう。」

このように、「理由」と「感謝」がセットになっていると、不満を持った相続人も「親父がそう言うなら仕方ないか」と、遺留分請求を思いとどまるケースが多いのです。

ここまで読んで、「自分一人で完璧な遺言書を作るのは難しそうだ」と感じた方もいるかもしれません。

行政書士に依頼することで、以下のリスクを回避できます。

1. 無効リスクの完全排除

行政書士は、最新の法令に基づき、形式不備による無効が決して起きないよう、文案を作成します。

特に公正証書遺言にする場合、公証人との事前打ち合わせをすべて代行するため、お客様は当日公証役場に行くだけで済みます。

2. 遺留分を考慮した「争わない」設計

財産状況と家族構成をヒアリングし、将来の遺留分侵害額請求のリスクを診断します。

その上で、生命保険の活用や付言事項の工夫など、争族を防ぐための戦略的な遺言書を提案します。

3. 戸籍収集と財産調査の代行

遺言書作成には、正確な推定相続人の把握(戸籍収集)と、財産の特定(登記簿や評価額の調査)が不可欠です。

これらは非常に手間がかかる作業ですが、行政書士がすべて代行します。

これにより、「隠れた相続人」や「記載漏れの財産」といったトラブルを防げます。

認知症の診断を受けたら、もう遺言書は書けませんか?

原則として、遺言能力(自分の行為の結果を弁識する能力)がない状態での遺言は無効です。
しかし、認知症の診断=即無効ではありません。症状が軽度で意思能力があることを医師の診断書等で証明できれば、公正証書遺言を作成できる可能性があります。
ただし、リスクが高いため、必ず専門家にご相談ください。

「全財産を妻に」と書けば、子供に財産はいきませんか?

遺言書の内容としては有効ですが、子供には「遺留分」があります。
子供が遺留分侵害額請求を行えば、妻は金銭を支払う必要があります。
これを防ぐための対策を検討する必要があります。

遺言書は書き直せますか?

はい、いつでも何度でも書き直せます。
複数の遺言書が出てきた場合、日付の新しいものが優先されます。
また、前の遺言と矛盾する部分のみが新しい遺言で上書きされます。
混乱を防ぐため、書き直す際は以前の遺言を撤回する旨を記載するか、専門家に相談することをお勧めします。

遺言書作成は、単なる事務手続きではありません。

あなたが築き上げた財産を、大切な人たちにどのように使ってほしいか、その「想い」を確実に届けるための唯一の方法です。

  • 自筆証書遺言は「全文自筆(財産目録除く)」「日付」「署名押印」のルールを厳守し、訂正方法に注意する必要があります。
  • 遺言内容が不公平な場合、「遺留分」を巡る争いに発展するリスクがあるため、事前の対策と「付言事項」の活用が重要です。
  • 手続きを確実に実行するためには、権限を持った「遺言執行者」を指定しておくことが必須です。
  • 2019年以降の法改正(財産目録の緩和、遺言執行者の権限明確化など)を正しく理解して作成する必要があります。
  • 行政書士に依頼することで、形式不備による無効を防ぎ、戸籍収集や公証役場との調整を任せて、安心・確実な遺言書を作成できます。

「まだ元気だから」といって先延ばしにしていると、認知症や急な事故で、想いを伝える機会が永遠に失われてしまうかもしれません。

家族の笑顔を守るために、今、専門家と一緒に遺言書の準備を始めましょう。

ご相談は初回無料!お気軽にお問い合わせください。

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