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2026年(令和8年)1月1日、行政書士法が大きく変わりました。
今回の改正は、行政書士制度の創設以来、極めて重要な転換点となる内容を含んでいます。
行政手続きのデジタル化が進む現代において、行政書士の役割はどう定義され、私たちのビジネスや国民生活にどのような影響を与えるのでしょうか。
本記事では、現役の行政書士が最新の法令に基づき、今回の法改正の重要ポイントを5つの柱で徹底解説します。

「行政書士の使命」と「職責」の明文化
(第1条・第1条の2)
今回の改正で最も象徴的な変更は、法律の冒頭に行政書士の使命が明確に規定されたことです。
行政書士の使命
(第1条)
これまでの第1条は「目的」として定義されていましたが、改正後は「使命」という言葉が使われています。
具体的には、「行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを使命とする」と明記されました。
職責の追求
(第1条の2)
新たに新設された第1条の2では、行政書士は常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその職務を行わなければならないという職責が定められました。
これにより、行政書士は単なる「代書人」ではなく、国民の権利を守るための独立した専門職としての立場がより強固なものとなりました。

特定行政書士の業務範囲が大幅に拡大
(第1条の3・第1条の4)
今回の法改正における実務上の最大の目玉は、特定行政書士ができることの範囲が大きく広がった点です。
従来の制限
これまでは、特定行政書士が行える行政不服申立ての代理業務は、「自らが作成した」書類に係る許認可等に関するものに限定されていました。
つまり、他人が作成した書類や、本人が作成した書類についての不服申立ては、特定行政書士であっても受任できないという「抜けない刀」のような状態だったのです。
改正後の変更点
改正法では、この制限が撤廃されました。今後は、特定行政書士が「作成することができる」書類に係る許認可等に関するものであれば、誰が作成した書類であっても、その不服申立てを代理することが可能になります。
期待される効果
- 国民の利便性向上
本人が申請して不許可になった場合でも、後から特定行政書士に不服申立てを依頼できるようになります。 - 紛争解決の迅速化
行政不服審査制度の活用が進み、裁判外での紛争解決が促進されます。 - 専門性の発揮
特定行政書士は、より高度な法的知見を活かしてクライアントをサポートできるようになります。

無資格者に対する規制と罰則の強化
(第1条の3第2項・第19条)
近年、コンサルティング会社や補助金申請支援業者、自動車販売店などによる「行政書士法違反」が社会問題となっていました。
今回の改正は、こうした「グレーゾーン」の排除に真っ向から踏み込んでいます。
「いかなる名目によるかを問わず」の明文化
(第1条の3第2項)
改正法では、行政書士でない者が「報酬を得て」書類作成を行うことを禁止する規定において、「いかなる名目によるかを問わず」という文言が追加されました。
これにより、以下のような言い逃れは一切通用しなくなります。
- 「これは代書費用ではなく、コンサルティング料です」
- 「会員組織の会費の中に書類作成費用が含まれています」
- 「自動車の販売代金に含まれるサービスとして書類を作成しています」

両罰規定の導入
(第21条の2等)
今回の改正の目玉の一つが両罰規定の導入です。
これまでは、無資格で業務を行った「個人」が処罰の対象でしたが、今後はその個人が所属する「法人(会社)」も罰則(100万円以下の罰金)の対象となります。
これにより、会社ぐるみで行われる違法な書類作成代行(例:中古車販売店の車庫証明、建設コンサルタントによる許可申請など)に対する抑止力が劇的に向上しました。
デジタル社会への対応
~電磁的記録の取扱い~
DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、行政手続きのオンライン化が加速しています。
今回の改正では、こうしたデジタル時代への適応も法的に整備されました。
電磁的記録の作成と代理
行政書士の業務範囲として、従来の紙の書類だけでなく、電磁的記録(データ)の作成とその代理送信が法律上明確に位置づけられました。
専門家としてのITリテラシー
行政書士には、GビズIDやマイナポータルを活用した高度なオンライン申請のスキルが求められるようになります。
無資格のIT業者が「申請システムの入力代行」を報酬を得て行うことは、今後はより厳格に排除されることになります。

行政書士法人の制度見直し
行政書士法人のガバナンス(組織統治)を強化するための見直しも行われました。
- 社員の責任の明確化
法人の透明性を高め、国民が安心して依頼できる組織体制が整えられました。 - 1人法人の継続性
1人法人の社員が欠けた場合の事業承継手続きなどが整備され、クライアントへの影響を最小限に抑える工夫がなされています。
ビジネスオーナーが注意すべき点
今回の法改正は、行政書士だけでなく、「外部に手続きを外注している企業」や「顧客の代わりに手続きを行っている事業者」にとっても極めて重要です。
1. 提携先が「行政書士」であるかの確認
もしあなたの会社が、コンサルタントやシステム会社に「補助金の申請書類作成」を依頼し、成功報酬などを支払っている場合、その相手が行政書士でなければ、改正法における両罰規定の対象となるリスクがあります。
2. 自社での「サービス代行」の再点検
自動車ディーラーや不動産仲介業者が、サービスの一環として行っている書類作成が、実質的に「報酬を得て」いると判断される場合(販売価格に含まれる等)、法違反を問われる可能性が高まりました。

2026年改正で変わる未来
2026年1月施行の改正行政書士法について、重要なポイントを整理します。
- 「行政書士の使命」が明文化され、国民の権利を守る専門職としての地位が確立した。
- 特定行政書士の代理権が拡大し、他人が作成した書類の不服申立てまで受任可能になった。
- 無資格者による業務代行(非行行為)に対し、「いかなる名目であっても違法」と明文化された。
- 両罰規定が導入され、違法行為を行った個人だけでなく、所属する会社も罰則の対象となった。
- デジタル時代に対応し、オンライン申請や電磁的記録の取扱いが法的に定義された。
今回の法改正は、一見すると専門家同士のルール変更に見えるかもしれませんが、その本質は「国民が、安心して適正な行政サービスを受けられる環境を作る」ことにあります。
特に無資格業者によるトラブルが増加している昨今、罰則の強化と両罰規定の導入は、健全なビジネス環境を守るための大きな一歩です。
私たち行政書士も、法改正によって与えられた新たな使命と職責を胸に、これまで以上に質の高いリーガルサービスを提供していく所存です。
企業関係者の皆様におかれましては、現在の外注先や自社サービスが改正法に抵触していないか、今一度ご確認されることを強くお勧めいたします。
コンプライアンスの遵守について不安がある場合は、ぜひお近くの行政書士、または当事務所へお気軽にご相談ください。
今回の改正内容を正しく理解し、法令に則った適切な手続きを行うことが、ひいては皆様のビジネスの信頼性と継続性を高めることにつながります。
💡ご相談は下記からお気軽にお問い合わせください。


