社会保険未加入は即不許可!建設業許可の絶対条件「社会保険等加入」の義務と東京都の厳格な証明戦略

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目次

コンプライアンスの最前線:社会保険加入の重要性

建設業許可を取得するための「5つの要件」は、経営経験、専任技術者、財産的基礎、誠実性、欠格要件に大別されます。

このうち、「欠格要件」の審査において、近年最も厳格にチェックされるのが社会保険等の加入状況です。

これは、建設業界における法定福利費(社会保険料)を適正に負担しない事業者が公共工事や優良な民間工事から排除されるという国の方針に基づいています。

建設業法第3条により、適正な社会保険等への加入は、建設業者の責務とされています。

東京都では、この責務を果たしていない事業者(加入義務があるにも関わらず未加入の場合)を欠格要件に該当するものとして、原則として不許可としています。

技術や資金があっても、社会保険が不備であれば許可は得られません。

建設業許可と社会保険
法令遵守が「欠格要件」に直結する理由

社会保険等への加入は、労働者保護と公正な市場競争の観点から、建設業法上の遵守事項と位置づけられています。

法令上の加入義務
法人・個人事業主の適用範囲

建設業許可の審査で対象となる社会保険は、主に以下の3つです。

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保険の種類根拠法加入義務の主体罰則の有無
健康保険健康保険法法人は強制(人数問わず)/個人事業主は5人以上で強制あり
厚生年金保険厚生年金保険法法人は強制(人数問わず)/個人事業主は5人以上で強制あり
雇用保険雇用保険法労働者を雇用する事業所はすべて強制(短時間労働者除く)あり

特に重要なのが、法人として建設業を営む場合、役員や従業員が一人であっても健康保険厚生年金保険への加入が強制される点です(常時使用する従業員が5人未満の個人事業主との最大の分水嶺です)。

許可審査上の位置づけ
不適正が「欠格要件」に

東京都知事許可の審査において、社会保険の加入義務があるにもかかわらず未加入である場合、建設業法第8条第10号(建設業を営む能力がないと認められる者)に基づき、「欠格要件に該当する」と判断され、許可は認められません。

これは、「経営業務の管理責任者(常勤役員等)」や「専任技術者」が、保険に加入していない法人や個人事業主に常勤していると認められない、という「常勤性の要件」にも影響を与える、複合的な問題を引き起こします。

【法人・個人別】健保・厚年・雇用
具体的な加入義務範囲

建設業許可の申請者は、自社の事業形態と従業員数に応じて、正確な加入義務範囲を理解し、履行する必要があります。

健保・厚年の必須要件
法人と個人事業主の分水嶺

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事業形態従業員数健保・厚年(社会保険)の加入義務
法人1人以上(代表者のみ含む)義務あり(強制適用事業所)
個人事業主5人以上義務あり(強制適用事業所)
個人事業主5人未満義務なし(任意適用事業所)

法人は従業員が1人でも(社長とその妻のみでも)、社会保険に加入しなければ建設業許可の申請資格がありません。

個人事業主は従業員が5人未満であれば義務はありませんが、この「従業員」には常勤役員は含まれません

雇用保険・労災保険
すべての労働者が対象

雇用保険と労災保険(労働保険)は、雇用形態にかかわらず、労働者を使用する場合にほぼ必須となります。

  • 雇用保険
    法人・個人事業主問わず、週の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある労働者を雇用する場合、加入義務があります。
  • 労災保険
    従業員を一人でも雇用すれば、強制加入です。
  • 一人親方
    従業員を雇用せず、事業主本人のみで働く「一人親方」は、労災保険の強制加入義務はありませんが、特別加入制度(任意)を利用して万が一に備えることが強く推奨されています。

東京都が求める「加入証明」
厳格な戦略と必要書類

社会保険に加入していることの証明は、申請書への記載だけでなく、公的な証拠書類を提出することで行います。

東京都の審査では、最新かつ継続的な加入状況が確認されます。

提出必須の公的書類
適用事業所通知書と納付証明

東京都知事許可の申請で、必ず添付が求められる証明書類は以下の通りです。

  1. 健康保険・厚生年金保険
    • 適用事業所通知書(写し)
      年金事務所が発行する、事業所が社会保険の適用を受けていることを証明する書類。
    • 直近の保険料領収証書(写し)
      納付の継続性を証明するため、直近の保険料を適正に納付していることの領収書や納付証明書。
  2. 雇用保険
    • 労働保険概算・確定保険料申告書(控え)
      労働局に提出した最新の申告書控え。

未加入が発覚した場合のリスク

加入義務がある事業者が未加入のまま申請した場合、「欠格要件」として不許可となります。

さらに、虚偽の申告をして許可を取得したことが発覚した場合は、許可の取消し処分を受け、今後5年間は建設業許可の再取得が不可能になるという極めて重いペナルティを負うことになります。

  • 更新時のチェック
    新規許可時だけでなく、5年ごとの更新時や、毎年提出する決算変更届においても社会保険の加入状況は継続的にチェックされます。

【実務上の盲点】
社会保険対応の注意点と適用除外の証明

一人親方・個人事業主の「適用除外」証明

個人事業主で従業員が5人未満の場合など、健保・厚年の加入義務がない事業者は、その「適用除外」の状態を証明する必要があります。

  • 証明方法
    申請書において「適用除外」であることを明確に記載し、従業員名簿などを提出して、常時使用する従業員が5人未満であることを裏付けます。

許可取得後の義務
継続的な納付と決算変更届の記載

社会保険加入は、許可取得のための一時的なハードルではありません。

  • 継続的な納付
    許可取得後も保険料の納付を怠れば、更新不許可や指導・処分の対象となります。
  • 決算変更届への記載
    毎年提出する決算変更届には、社会保険の加入状況を記載する欄があり、ここで未加入の状態が確認されれば、行政指導の対象となります。

つまり、建設業許可の取得は、企業全体としてのコンプライアンス体制を確立し、維持することの証明であり、社会保険はその中でも最も基礎的で重要な要素なのです。

この記事のまとめ

建設業許可を取得する上で、社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)への適正な加入は、技術力や資金力に並ぶ、企業の社会的信用と法令遵守を示すための絶対的な要件です。

加入義務があるにも関わらず未加入の場合、欠格要件に該当し、許可は原則として取得できません。特に法人は、従業員数に関わらず加入が強制されます。

  • 法人は従業員数にかかわらず健康保険・厚生年金保険への加入が義務であり、未加入は許可の欠格要件に該当します。
  • 個人事業主は常時使用する従業員が5人以上で健保・厚年の加入が義務化されますが、雇用保険は従業員を雇用すれば原則すべて加入義務があります。
  • 許可申請時には、適用事業所通知書直近の保険料納付証明書など、公的な書類で加入の事実と継続性を証明する必要があります。
  • 許可取得後も、社会保険の適正な納付を怠った場合、更新不許可や行政指導、虚偽申請による取消しといった重大なリスクを負います。
  • 社会保険への適正な加入は、法令遵守の徹底を意味し、優良な事業者として公共工事の入札参加資格審査(経審)などで加点評価されるなど、事業継続と拡大に不可欠な要素となります。

建設業許可の取得は、企業が社会的な責任を全うし、持続可能な事業運営を行うことの宣誓でもあり、許可取得を機に、社会保険を含む全コンプライアンス体制を整備することが、長期的な企業価値向上へと繋がるのです。

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