【遺言執行者とは?】行政書士が解説する遺言の実現と手続きの流れ|遺言書の効力を正しく活かすには

目次

【はじめに】遺言書は「書くだけ」で終わりじゃない

せっかくきちんと書かれた遺言書でも、内容どおりに実現しなければ意味がありません。
そのために重要な役割を果たすのが「遺言執行者」です。

今回は、行政書士が関与できる「遺言執行」について、その仕組みと流れ、実務上の注意点を解説します。

【1】遺言執行とは?

遺言執行とは、遺言書の内容を実際に実行・手続きする行為をいいます。
たとえば:

  • 預貯金の解約と分配
  • 相続人へ財産の引き渡し
  • 相続人以外への遺贈
  • 相続人の廃除や認知の届け出
  • 不動産の名義変更手続きの依頼(登記は司法書士に依頼)

などを含みます。

【2】遺言執行者の法的位置づけと選任方法

📜民法1012条〜1020条が根拠

遺言執行者は、民法により遺言内容の実現に必要な一切の行為を行う権限を与えられます。

✅ 選任方法は2通り:

  1. 遺言書であらかじめ指定
  2. 指定がない場合 → 相続人が家庭裁判所に選任申立て

👤誰が遺言執行者になれる?

  • 相続人本人(兼任可)
  • 専門職(行政書士・弁護士など)
  • 信託銀行や士業法人

行政書士は、相続手続に精通した中立的な立場の専門職として選任されることが増えています。

【3】行政書士ができる遺言執行業務

行政書士は登記や税務以外の範囲で、以下のような遺言執行を担うことができます:

✅ 主な業務内容:

  • 相続人・受遺者の確定(戸籍の収集、相続関係説明図の作成)
  • 財産目録の作成と通知
  • 預貯金・証券・会員権などの名義変更・払戻し
  • 行政への届出(相続人の廃除や認知など)
  • 不動産登記に必要な書類作成(登記自体は司法書士)
  • 財産の引き渡し・処分

【4】遺言執行の流れ(行政書士が関与する場合)

  1. 遺言書の検認(自筆証書の場合、家庭裁判所で)
  2. 遺言執行者の選任確認
  3. 相続人・受遺者への通知と財産の調査
  4. 財産目録の作成・開示
  5. 各種手続き実施(口座解約、名義変更など)
  6. 財産の分配と完了報告

【5】注意点とトラブル防止のポイント

⚠️ ありがちなトラブル

  • 相続人の一部が遺言内容に不満を持ち、非協力的
  • 不動産や株式など分けにくい財産の扱いが不透明
  • 遺言書の形式不備で無効とされるケース

こうした事態を防ぐためには、公正証書遺言を作成し、信頼できる執行者を指名しておくことが重要です。

【6】行政書士に依頼するメリット

  • 法的効力を持った遺言執行を中立・公正に遂行
  • 相続人間の感情的な対立を避けられる
  • 必要書類を迅速・正確に整備し、全体の流れを把握
  • 費用も弁護士より比較的低額で対応可能

【まとめ】

  • 遺言執行は「書いた内容を実現する」ための大切なプロセス
  • 行政書士は、登記や税務以外の執行事務に幅広く関与可能
  • 円満・確実に相続を進めるため、遺言作成と併せて執行者の指定をおすすめします

💡ご相談は下記からお気軽にお問い合わせください。

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