こんにちは、東京都中野区のかとう行政書士事務所です。
これまでのシリーズでは「求人原稿にどんな情報を盛り込むか」「待遇以外の魅力をどう表現するか」といったテーマを中心にお伝えしてきました。
しかし、実際の採用現場をサポートしていると、情報そのものはきちんと掲載されているにもかかわらず、「応募につながらない求人原稿」に出会うことが少なくありません。
なぜかというと――それは 「伝え方」に工夫が足りない からです。
同じ内容でも、表現の仕方ひとつで応募者に届く印象は大きく変わります。
本記事では、応募者心理に寄り添った求人原稿の作り方について、実務に活かせる具体的なポイントを解説します。
■ なぜ「伝え方」が重要なのか?
採用支援をしていると、経営者や人事担当者からよくこんな声を聞きます。
- 「条件は悪くないのに、応募が来ない」
- 「せっかく応募があっても、面接までつながらない」
- 「内定を出しても辞退されてしまう」
これらの多くは、実際の待遇や仕事内容に問題があるのではなく、求人原稿の「伝え方」が原因であることが少なくありません。
たとえば――
- 仕事内容の説明が抽象的すぎて、働くイメージが持てない
- 良い制度があるのに、淡々と羅列されていて魅力が伝わらない
- ネガティブな情報が伏せられていて、不信感を抱かれる
このような求人原稿では、応募者の心理に届かず、応募率は伸びません。
採用活動は「相手の立場に立つ」ことが大切。つまり、応募者目線に立って伝える工夫が欠かせないのです。
■ 応募者心理を踏まえた求人原稿の表現テクニック
では、応募者の立場に立ったとき、どのような「伝え方」が効果的なのでしょうか。
ここでは、現場で特に効果の高い5つのポイントを紹介します。
① 応募者は「安心感」を求めている
仕事探しをする人に共通する感情は「不安」です。
- 「自分にできる仕事だろうか」
- 「会社に馴染めるだろうか」
- 「ブラック企業ではないだろうか」
こうした不安を払拭できる求人原稿は、自然と応募につながります。
表現例
- ❌「未経験者歓迎」
- ⭕「未経験から入社した社員が7割。研修やOJTでしっかりサポートします」
数字や実績とあわせて伝えることで、求職者は安心感を持ちやすくなります。
② 応募者は「自分ごと化」したい
応募を検討する際、求職者は「ここで働く自分」をイメージします。
そのイメージを具体的に描かせる仕掛けを求人原稿に入れましょう。
効果的な例
- 「入社1日のスケジュール」
- 「入社半年の社員インタビュー」
- 「キャリアアップの実例紹介」
こうしたコンテンツは、自分自身を重ねて考えやすくするため、応募への後押しになります。
③ 応募者は「誠実さ」を感じ取りたい
採用支援の現場でよく見られるのが、曖昧なキャッチコピーの多用です。
- 「アットホームな職場です」
- 「やりがいのある仕事です」
このような表現は、他社も同じように書いているため差別化にならず、むしろ「本当かな?」と不信感を招くことがあります。
代わりに、具体的なエピソードや事実を記載しましょう。
例
「20代から50代まで幅広い年齢層が在籍。月に1回は全員でランチMTGを開催し、部門を越えて交流しています。」
これなら、「アットホーム」と言わなくても雰囲気が伝わります。
④ 応募者は「働くイメージ」を求めている
求職者にとって、入社後にどんな仕事をするのかを明確にイメージできるかどうかは大きな判断基準です。
仕事内容を具体的に記載することは、応募数の増加だけでなく、ミスマッチ防止にもつながります。
例
- 「営業活動は飛び込みではなく、既存顧客への提案が中心です」
- 「繁忙期は残業が月20時間程度。ただし閑散期はほぼ定時退社」
ポジティブな面だけでなく、大変な面も含めて伝えることで、応募者との信頼関係が生まれます。
⑤ 応募者は「応募の決め手」を探している
求人原稿を読んでいる応募者は、常に「応募するか、やめるか」を天秤にかけています。
そのため、最後の一押しとなる仕掛けを盛り込むことが大切です。
例
- 「応募前の会社見学も歓迎しています」
- 「実際に働く社員の声をこちらで紹介しています」
- 「まずはカジュアル面談からでも大丈夫です」
心理的なハードルを下げる工夫は、応募率を確実に押し上げます。
■ 実際の文章改善例
最後に、求人原稿のよくあるNG例と改善例を紹介します。
改善前
「営業職を募集しています。未経験者も歓迎です。やる気のある方を求めています。」
改善後
「営業職を募集しています。入社した社員の7割が未経験スタート。まずは先輩社員に同行し、商品知識や提案の流れを学びます。ノルマはなく、既存のお客様への提案が中心ですので、未経験の方でも安心して始められます。」
改善後の文章には、安心感・働くイメージ・誠実さが盛り込まれています。
■ まとめ
今回のポイントを整理すると、
- 求職者心理を理解して「安心感・自分ごと化・誠実さ・働くイメージ・決め手」を意識する
- 抽象的な言葉ではなく、具体的な事実やエピソードを記載する
- 良い面も大変な面も伝えることで、信頼感と定着率を高める
求人原稿は、単なる募集文ではなく、応募者との最初のコミュニケーションツールです。
「応募者の心にどう響かせるか」を意識することで、採用活動は確実に成果へと近づきます。
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