こんにちは。中野区のかとう行政書士事務所です。
今回は、採用面接の中でも「質問」の質に焦点を当ててみたいと思います。
「面接はしているけれど、応募者の本音が引き出せない」
「どんな質問をすれば、適性が見えるのか分からない」
「毎回“テンプレ質問”ばかりになってしまう…」
そんな悩みはありませんか?
結論から言うと、面接で大事なのは「質問のセンス」ではなく「質問の設計力と意図」です。
■ なぜ「質問力」が大事なのか?
面接とは、応募者のスキルや人柄を見極めるだけでなく、
「自社に合うか」「長く働けそうか」を判断する非常に重要な機会です。
にもかかわらず、よくあるのが以下のような面接:
- 「志望動機を教えてください」
- 「前職ではどんな仕事をしていましたか?」
- 「長所・短所は?」
…どれも重要な質問ですが、これだけでは応募者の“深層部分”は見えてきません。
■ 「良い質問」とは何か?
良い質問とは、以下の条件を満たすものです:
- 具体的な行動や経験に基づいている
- 応募者の価値観や判断基準が見える
- 「はい/いいえ」で終わらないオープンな質問
たとえば、こうした問いに変えるだけで、応募者の解像度がグッと上がります。
■ 中小企業の面接で使える質問例(意図付き)
✅ 「入社後、最初の1ヶ月でどんな仕事をしたいと考えていますか?」
- → 仕事への主体性と想像力、準備の有無が見える
✅ 「過去に仕事で壁にぶつかった経験と、どう乗り越えたかを教えてください」
- → 問題解決力や対応姿勢が見える
✅ 「あなたが“働きやすい”と感じる環境とはどんなものですか?」
- → 自社とのカルチャーフィットを測る質問
✅ 「過去のチームでの成功体験・失敗体験について教えてください」
- → 協働性・他者との関わり方が浮き彫りに
■ NGになりがちな質問・面接のクセ
中小企業でよくある、避けたい質問や進め方も紹介しておきます:
❌ 「結婚の予定はありますか?」
→ 完全にNG。個人のプライバシーに踏み込む質問は違法リスクあり。
❌ 終始、履歴書の内容をなぞるだけ
→ 事実確認に終始すると、応募者の「思考」や「価値観」が見えません。
❌ 面接官ばかりが話しすぎる
→ 「うちの会社は〜」「こういう人を求めていて〜」と説明ばかりしてしまうと、
応募者の本質を聞き逃すことに。
■ 「聞き方」のテクニックを少しだけ
- 相手の言葉を繰り返す(オウム返し)
例:「やりがいを感じたんですね」→「どんな瞬間に感じましたか?」 - 沈黙を恐れず“待つ”
→ 少し間を置くと、応募者がより深い話をしてくれることもあります。 - メモを取りながら、目を見てリアクション(応募者の話に頷く)
→ 「あなたの話を大事に聞いていますよ」というサインになります。
■ 面接は応募者と“対話する場”
面接は「ふるいにかける」だけでなく、「お互いに理解を深める双方向の場」です。
だからこそ、質問は一方的であってはなりません。
「どうしてそう考えるんですか?」
「それってどんな背景があったんですか?」
このように、興味と理解を深めるスタンスで質問することで、応募者は本音で語りやすくなります。
✅ まとめ
- 「良い質問」は応募者の価値観・判断軸を引き出す
- 面接官は“質問の設計者”であり“対話のファシリテーター”
- NG質問や一方通行面接を避け、信頼のある対話を意識する