こんにちは。中野区のかとう行政書士事務所です。
前回は「面接で辞退される理由とその対策」についてお伝えしました。
今回は、その前段階にある「書類選考」について取り上げます。
目次
■ なぜ書類選考で応募者がいなくなるのか?
「応募はあるのに面接につながらない」
「書類選考の通過率が低すぎる」
そんな悩みをお持ちの企業は少なくありません。
その原因の多くは、次の3つにあります。
- 評価基準が漠然としている
- 過去の採用成功者と比較しすぎている
- スペック重視になりすぎている
特に中小企業では、限られた人材に期待が集中するため、「理想が高くなりすぎる」という傾向があります。
■ 書類選考における“通す判断”の軸を持つ
【重要】「落とす基準」ではなく「通す基準」を明確に
選考は「見送り理由を探す」のではなく、「可能性がある応募者を見つける」場です。
たとえば:
- 学歴や職歴が満たなくても、転職理由や志望動機に熱意がある
- 前職経験が活かせそうなポイントが1つでもある
- 勤続年数が短くても、業界理解がある
など、「1つでも前向きに評価できる要素」があれば、面接に進めてみるというスタンスが大切です。
■ 書類から読み取るべきは“ストーリー”
履歴書・職務経歴書には、単なる事実だけでなく、その人の「価値観」「仕事への姿勢」「転職理由」がにじみ出ています。
以下のような点を意識して見てみましょう。
- キャリアに一貫性があるか(もしくは明確な理由があるか)
- 応募動機が自社の課題やビジョンと合致しているか
- 業務内容や成果の記述に具体性があるか
「スペック」だけを基準にしてしまうと、“良い人材”を見逃してしまうリスクがあります。
■ 中小企業における“評価軸のすり合わせ”のすすめ
書類選考の質を上げるためには、社内での評価軸の共有も不可欠です。
- 採用担当者や面接官で「通過の判断基準」をすり合わせる
- 過去の採用成功例・失敗例をレビューしておく
- 「最低限クリアしてほしい条件」「柔軟に考えられる条件」を整理する
👆これにより、“属人的な判断”や“ぶれ”を防ぐことができます。
✅ まとめ:書類選考は「可能性を見つける視点」で
- 評価軸は「通す基準」として設計する
- 書類から“その人の物語”を読み解く力を持つ
- 社内で基準を言語化し、統一する
書類選考は「振り落とすため」ではなく「出会いの入口」。
中小企業こそ、柔軟で前向きな判断基準を持つことで、将来の戦力と出会える確率が高まります。