こんにちは。中野区のかとう行政書士事務所です。
前回は、採用活動におけるPDCA(振り返りと改善)の大切さを解説しました。
今回は、“面接”という採用活動の核心に迫ります。
■ 応募が来たのに、面接後に辞退される理由とは?
せっかく応募があったのに、面接後に辞退されてしまう――
これには明確な理由があります。求職者は「仕事内容」だけでなく「会社の印象」や「対応の誠実さ」を面接の中で感じ取り、内定承諾の判断材料にしています。
たとえば…
- 面接官が高圧的・一方通行だった
- 会社の雰囲気がイメージと違った
- 条件や働き方に関する説明が曖昧だった
- 逆質問を受け流されて不信感を持った
中小企業の場合、「選ばれる立場」であることを忘れがちですが、“面接で評価される”のは企業側も同じです。
■ 面接で離脱を防ぐ5つのポイント
① 面接官の事前準備と役割認識
- 応募者の履歴書・職歴書を確認した上で臨む
- 自社の魅力や働くメリットを明文化しておく
- 質問に備えた情報共有を社内でしておく
👆「なんとなく」対応してしまうと、応募者にはそれが即座に伝わります。
② 求職者を「評価する場」ではなく「対話の場」と捉える
- 圧迫面接や質問攻めにならないよう注意
- 応募者の経験や考えを引き出す姿勢を持つ
- 「一緒に働くかどうかを見極める対話の時間」と認識を共有
👆面接はマッチングの場。評価一辺倒では関係性が築けません。
③ 会社の情報開示は誠実に
- 実際の勤務時間や残業、給与制度なども隠さず伝える
- ネガティブ情報も「改善に向けての取り組み」とセットで開示
- 曖昧な表現(例:柔軟に対応します)を具体化する
👆「正直な情報提供」は信頼構築につながります。
④ 質問への対応:即答できないことは後日でも可
- 不明点は「確認して後日回答します」と丁寧に対応
- 逆質問への答えを準備しておく
- 自社の現場社員の声や、実例を織り交ぜて説明する
👆回答力も“会社の誠実さ”の指標になります。
⑤ フィードバックとフォローのスピード
- 面接結果はなるべく早く伝える(翌営業日が理想)
- 「選考辞退」があった場合でも、振り返りを行う
- 応募者の志望動機や不安を、面接中に把握しておく
👆フォローのタイミングが遅れると、辞退や他社決定につながりやすくなります。
■ 中小企業こそ「面接力」で差別化を
採用難の時代。求人原稿や条件面だけでは差がつきません。
企業の“面接対応力”こそが、求職者の心をつかむ最大の要素です。
中小企業の魅力は「経営者や社員との距離の近さ」「社風」など、“人の良さ”で伝わる部分も多いはず。
その価値をしっかり伝えられる面接運用を目指しましょう。
✅ まとめ:面接で「選ばれる会社」になるために
- 面接=自社を魅せるプレゼンの場
- 応募者と対等な関係で“対話”をする
- 丁寧な対応と透明性が辞退防止につながる
採用に成功する企業は、面接を「会社の魅力発信の場」として戦略的に活用しています。
「誰が対応するか」「どう説明するか」――
その積み重ねが、応募者の意思決定を大きく左右します。