こんにちは。中野区のかとう行政書士事務所です。
このブログシリーズでは「中小企業でも実行できる採用運用の工夫」をテーマに、実務ベースで役立つ情報をお届けしています。
今回は、採用活動における振り返りと改善(=PDCA)にフォーカスします。
■「採用もPDCA」ってどういう意味?
PDCAとは、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)という業務改善サイクルです。
採用活動でも、このPDCAを意識することで「やって終わり」「出して終わり」から脱却できます。
たとえば、「応募が来ない」「来たけどミスマッチ」「面接で離脱される」などの課題に、原因を明確化し対策を講じることで、次の一手が見えてきます。
■ 採用活動のPDCAサイクル:実務ステップ
▼ Plan(計画):採用ターゲットと手段の設計
- 求める人物像(スキル・性格・経験)を明確化
- いつまでに、何人、どの職種を採用するのか数値化
- 使用するチャネルや面接フローの設計
👆曖昧な状態でスタートすると、選考基準がブレたり、求人媒体の選定ミスに繋がります。
▼ Do(実行):実際の採用活動を運用
- 求人原稿の作成と掲載
- 応募者対応、面接設定
- 各チャネルへの反響チェック(例:各媒体の閲覧数、Indeedクリック数等)
👆応募者の対応速度や連絡の丁寧さも、結果に直結する「実行」の質の一部です。
▼ Check(評価):応募状況と結果の分析
以下のような観点で振り返りましょう:(例)
項目 | チェックポイント例 |
---|---|
応募数 | チャネルごとの応募者数に偏りは?想定通り? |
面接通過率 | 面接での離脱理由、印象のズレは? |
採用単価 | 1人採用にかかった総コストは?広告効率は? |
定着度 | 採用後すぐ退職していないか? |
👆「求人原稿を修正すべきか」「面接の進め方に課題があるのか」など、課題の所在を明確にします。
▼ Act(改善):次回の施策へ反映
- 求人内容の訴求軸を見直す(例:「やりがい」より「柔軟な勤務」)
- チャネルの再選定・追加
- 面接対応者の変更や、質問内容のブラッシュアップ
👆“やってダメだった”で終わらせず、改善点を明文化・共有しておくことが大切です。
■ 「記録・共有・可視化」でPDCAをチームに根付かせる
特に中小企業の場合、「採用活動が属人化している」「担当者が日々の業務に追われて振り返れない」といった課題があります。
そのためには、
- 採用活動のログ(応募数・対応状況)を表形式で記録
- 週1回の振り返りミーティングで簡単に状況共有
- チャネル別の費用対効果を可視化する簡易シート導入
など、仕組みで振り返りの文化を定着させることがポイントです。
■ 中小企業こそ「改善型採用」が必要
広告予算が限られる、担当が兼務している――
だからこそ、ムダな打ち手を繰り返さない“改善型採用”の視点が重要です。
「ダメだった理由を把握し、次回に活かす」
この基本を採用でも徹底すれば、徐々に“質の高い応募”へとつながっていきます。
✅ まとめ:採用の成果は“振り返り力”に比例する
採用活動の成功は、「どんな人を求めるか」だけでなく、「振り返って次に活かす習慣があるかどうか」にかかっています。
1回ごとに小さく改善を積み重ねることで、中小企業でも“成果の出せる採用”が実現可能です。