こんにちは、東京都中野区のかとう行政書士事務所です。
前回は「採用がうまくいく中小企業の共通点」をテーマに、成功事例を交えて解説しました。
今回はその中でも特に重要な要素、「求人原稿の個性化」について深掘りします。
■ なぜ求人原稿に“個性”が必要なのか?
求人サイトやハローワークには、同じ業種・同じ職種の求人が数多く並びます。
その中で埋もれずに応募者の目を引くには、「他社にはない、自社ならではの魅力」を文章で表現する必要があります。
しかし実際には——
- 募集内容が他社のコピペのようになっている
- 仕事内容の説明が抽象的でイメージできない
- 「明るい職場」「アットホーム」などのありきたりな言葉ばかり
——という求人原稿が多く、これでは差別化はできません。
■ 採用ターゲットを明確にしてから“個性”を決める
求人原稿の個性は、採用ターゲットのニーズに合わせて作るのが鉄則です。
そのため、まずは「誰に来てほしいのか」を明確にします。
たとえば——
- 若手未経験者を採用したい → 成長機会・研修制度の充実を強調
- 即戦力を採用したい → 裁量の大きさ・待遇・成果評価の仕組みを強調
- 子育て世代を採用したい → 勤務時間の柔軟性・休暇制度を強調
ここで方向性を間違えると、せっかくの求人原稿も応募者に刺さらなくなります。
■ 情報整理の3ステップ
求人原稿に個性を出すための情報整理は、以下の3ステップで行います。
① “事実”を洗い出す
まずは社内の情報を事実ベースで整理します。
例:
- 社員数や男女比、平均年齢
- 社員の入社動機や経歴
- 教育・研修の実績
- 成長や昇給のスピード
この段階では誇張や装飾は不要です。正しい情報を漏れなく出すことが重要です。
② “魅力”に変換する
次に、洗い出した事実を魅力的に変換します。
例:
- 「社員数30名・平均年齢28歳」
→「若手中心で風通しの良い職場。経営層との距離も近く、意見が反映されやすい環境」 - 「入社3年で主任昇格の実績あり」
→「成果をしっかり評価。年齢や社歴に関係なくチャンスが広がる」
この“魅力化”が、求人原稿の個性をつくる重要な工程です。
③ “伝わる形”に落とし込む
最後に、魅力を文章や構成に落とし込みます。
- 見出しで興味を引く:「未経験から3年でリーダーへ!成長できる職場」
- 数字で裏付け:「平均昇格年数は2.8年。早い方では1年でリーダー昇格」
- 具体例を添える:「前職は接客業だったAさんも、入社2年で…」
応募者は感覚的なキャッチコピーよりも、数字やエピソードの裏付けに安心感を持ちます。
■ 実際の改善事例
改善前(事務職)
一般事務スタッフ募集。経験不問。PC基本操作ができる方。明るく元気な方歓迎。
改善後
【未経験から事務デビュー】
社員の8割が事務未経験スタート。ExcelやWordの操作は入社後研修で習得できます。
平均年齢は29歳。先輩は年齢の近い社員ばかりで、質問しやすい雰囲気です。
事務職デビュー後は、経理・人事などへのキャリアチェンジも可能です。
結果として、応募数は1.7倍に増加しました。
■ “個性”の出し方チェックリスト
- 求人原稿は他社と比較して差別化できているか?
- 抽象的な言葉を具体例や数字に置き換えているか?
- 求人ターゲットに合わせて強調ポイントを変えているか?
- 社員の声や1日の流れを盛り込んでいるか?
- 写真やビジュアルも含めて職場の雰囲気を伝えているか?
■ まとめ
求人原稿の個性化は、派手なキャッチコピーや奇抜な表現ではなく、
「事実を魅力に変換し、ターゲットに合う形で伝えること」が本質です。
中小企業にとって求人原稿は、数少ない“応募者との最初の接点”です。
だからこそ、今回の情報整理術を使って、自社ならではの魅力を言語化してください。
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