「見落とされがちな“採用コスト”の正体|中小企業が今すぐ見直すべき採用の非効率」
こんにちは。東京都中野区のかとう行政書士事務所です。
本シリーズでは「中小企業のための採用支援」について、実務に根差した視点でお届けしています。
今回は、「採用にかかる“見えないコスト”」をテーマに解説します。
「うちは広告費をほとんどかけていないから、採用コストは安い」
「人事は専任で置いてないから、コストはかかってないと思う」
そんな声をよく耳にしますが、実はその考えこそが“見えないコスト”を膨らませている原因かもしれません。
■ 中小企業に多い“見えない採用コスト”とは?
採用におけるコストは、求人広告費や紹介手数料だけではありません。
特に中小企業においては、以下のような「見えにくいが確実に発生しているコスト」があります。
🔸 時間的コスト(人事・現場担当の対応時間)
- 求人原稿の作成、媒体掲載までの調整
- 応募者へのメール・電話対応
- 面接の設定や調整
- 選考後の合否通知・社内共有
- 面接や入社後のフォロー
これらの業務に、現場の管理職や代表自身が関わっているケースも多く、1人あたり月数時間〜十数時間が取られていることも珍しくありません。
🔸 採用失敗による“損失コスト”
- 入社後すぐ辞められたことによる人件費ロス
- 辞退者が出た場合の再掲載や再面接にかかる工数
- 現場の生産性の低下・モチベーションダウン
採用の失敗は、「1人の人材が来なかった」だけにとどまらず、組織全体に与える影響も大きいのです。
■ 応募数・辞退率・工数で見直すべきポイント
採用における非効率は、「応募→内定→入社」の各フェーズに存在します。
以下のチェックリストで、自社に当てはまる項目がないか確認してみてください。
✅ 応募段階の非効率
- 求人原稿の内容があいまい/ターゲットが定まっていない
- 掲載媒体の選定基準が過去の慣習に頼っている
- 応募からのレスポンスが遅く、辞退につながっている
✅ 選考段階の非効率
- 面接スケジュールの調整に時間がかかっている
- 面接の質(質問内容・話す順序など)が標準化されていない
- 合否判断の基準が曖昧で、社内で毎回議論になる
✅ 内定後の非効率
- 内定者へのフォローが不十分で辞退されてしまう
- 入社手続きや受け入れ準備が毎回属人的でミスが起きる
- 入社後の育成計画が曖昧で、早期離職につながる
■ 採用“コスト改善”のヒント
「これを変えればすぐ応募が増える!」という万能策はありませんが、コストを意識した改善は着実に成果を生みます。
🔹 改善策①:採用フローの「見える化」
まずは、自社の採用プロセスを整理し、各ステップにどれだけ時間・人が関わっているかを可視化します。
ツールを導入しなくても、簡単な表形式でOKです。
ステップ | 担当者 | 所要時間 | 発生頻度 | 備考 |
---|---|---|---|---|
求人原稿作成 | 管理部長 | 約2時間 | 年4回 | 既存の原稿流用が多い |
面接設定 | 総務担当 | 約30分/件 | 毎月 | メールで個別にやりとり |
→ こうした表から、どの業務が属人化しているか・非効率かが見えてきます。
🔹 改善策②:汎用化・自動化できる部分を整備する
- 面接の案内メールはテンプレート化
- 面接評価シートを標準化
- よくある質問を事前に共有
- 入社時のオリエン資料を一括管理
中小企業こそ、一部の“定型業務”をあらかじめ整えておくことで、採用の負担が一気に減ります。
■ 採用支援で実現した“コスト最適化”事例
当事務所が支援したある接客スタッフの募集企業では、
「応募が少ない・辞退が多い・対応が属人的」という典型的な課題を抱えていました。
導入した施策は以下の通りです:
- 求人原稿の刷新+ターゲット明確化
- 応募対応のテンプレート化+レスポンス短縮
- 面接基準の明文化
- 入社後フォローのスケジュール化
結果として、辞退率が約35%から15%に改善し、
同時に採用担当者の月間対応時間が約半分に削減されました。
■ まとめ|採用の効率化は“攻め”と“守り”の両立から
採用における“見えないコスト”に気づき、
それを一つひとつ可視化・削減していくことが、中小企業にとっての採用力強化の第一歩です。
- 「応募数が少ない」と悩む前に
- 「人が辞めてしまう」と嘆く前に
まずは自社の採用プロセスを見直してみましょう。
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