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「お墓の管理」は誰が引き継ぐべきか?問われる祭祀承継のあり方
「田舎のお墓を守る人がいなくなってしまった」
「子供に墓掃除や管理費の負担をかけたくない」
「自分たちが亡くなった後、先祖のお墓はどうなるのか」
少子高齢化と都市部への人口集中が進む現代日本において、これらは決して他人事ではありません。
特に2024年4月から施行された相続登記の義務化は、人々の「承継」に対する意識を大きく変えました。
不動産の名義を正しく整える流れの中で、同じく土地(墓地)に付随する「お墓の権利」をどう整理すべきかという相談が、私たち行政書士のもとにも激増しています。
お墓や仏壇、家系図といったものは法律上、一般の財産とは異なる祭祀財産(さいしざいさん)として扱われます。
これらは現金や不動産のように「兄弟で等分に分ける」ことができず、原則として一人の承継者がすべてを引き継ぐことになります。
このルールを知らずに放置すると、死後に親族間で「誰が費用を払うのか」「勝手に墓を閉じた」といった深刻なトラブルに発展しかねません。
今回は、墓じまい(改葬)の具体的な法的ステップから、トラブルを未然に防ぐ遺言書の書き方などを解説します。
法律が定める「お墓の引き継ぎ」
祭祀承継のルール
お墓や位牌などの「祭祀財産」は、民法第897条によって、一般的な相続財産とは区別されています。
祭祀財産に含まれるもの
祭祀財産とは、先祖を祀(まつ)るための対象物を指します。
- 譜系(ふけい)
系図、家系図など - 祭具(さいぐ)
位牌、仏壇、神棚など - 墳墓(ふんぼ)
墓石、墓地(使用権)など
これらは相続税の課税対象外という大きな特徴がありますが、その一方で、分割して相続することができません。
祭祀承継者はどのように決まるのか?
民法では、承継者を決める優先順位を以下のように定めています。
- 第一順位
亡くなった人の指定(遺言など) - 第二順位
慣習(地域のしきたりや親族間の話し合い) - 第三順位
家庭裁判所による指定
ここで重要なのは、「長男が継ぐべき」という法律は存在しないという点です。
2025年現在、家族の形態が多様化する中で、性別や出生順に関わらず、最も適切に管理できる人を遺言で指名しておく重要性が高まっています。
墓じまい(改葬)の
法的ステップと手続きの全容
お墓を撤去し、遺骨を別の場所に移す、あるいは永代供養にすることを「改葬(かいそう)」と呼びます。
これは勝手に行うことはできず、墓地埋葬法に基づいた行政手続きが必要です。
≪ステップ1≫
新しい納骨先の確保
まずは、遺骨をどこへ移すかを決めます。
- 新しい寺院や霊園への移設
- 納骨堂(自動搬送式など)
- 樹木葬(じゅもくそう)
2025年現在、管理の負担が少ないため最も選ばれている選択肢の一つです。 - 合祀墓(ごうしぼ)
他の方と一緒に永代供養する。
移転先が決まったら、そこから「受入証明書(または使用許可証)」を発行してもらいます。
≪ステップ2≫
現在の墓地管理者からの承諾
今あるお墓の管理者(お寺の住職や霊園の管理事務所)に、墓じまいの意思を伝えます。
ここで発行してもらうのが埋蔵証明書です。
≪ステップ3≫
市区町村役場への「改葬許可申請」
「受入証明書」と「埋蔵証明書」を添えて、現在お墓がある場所の自治体へ改葬許可申請を行います。
審査が通ると「改葬許可証」が発行されます。
これがないと、石材店は墓石を動かすことができません。
≪ステップ4≫
墓石の撤去と閉眼供養(魂抜き)
宗教儀式として「閉眼供養」を行い、石材店がお墓を解体・撤去して、更地に戻して管理者に返還します。
行政書士が警鐘を鳴らす
「寺院との離檀トラブル」
墓じまいをスムーズに進める上で、最も注意が必要なのが、長年お世話になったお寺(菩提寺)との関係です。
いわゆる「離檀料(りだんりょう)」を巡るトラブルが後を絶ちません。
離檀料の法的性格
「離檀料を100万円払わないと書類を出さないと言われた」という相談を受けることがありますが、法的には「離檀料」という名目の支払い義務は存在しません。
あくまで、これまでの感謝を込めた「お布施」の一環です。
しかし、一方的に「やめます」と告げるのではなく、数年前から相談を重ねる、あるいは「跡継ぎがいなくなり、お寺に迷惑をかけたくない」という理由を丁寧に説明することが、実務上の解決策となります。
行政書士による書面サポート
感情的な対立が深まってしまった場合、行政書士が中立的な立場から「改葬の理由」を説明する書面を作成したり、行政手続き(改葬許可申請)を代理したりすることで、住職との交渉を円滑に進めることが可能です。
遺言書に「お墓のこと」を
書き残すべき3つの理由
財産の相続と同じくらい、お墓の行く末を遺言書に記しておくことは重要です。
祭祀承継者の明確な指定
「お墓は長男に、仏壇は長女に」といったように、誰が何を引き継ぐかを明記します。
これにより、死後の親族間の押し付け合いや、逆に「自分が継ぎたかった」という不満を防ぐことができます。
費用の準備(死後事務委任とのセット)
墓じまいには、解体費用や新しい納骨先の費用として、一般的に50万円〜150万円程度の資金が必要です。
遺言書の中で、「墓じまいの費用として預貯金から〇〇万円を充当すること」と指定しておくことで、承継者の経済的負担を軽減できます。

自分の最期の場所を自分で決める
「先祖代々の墓には入りたくない」「散骨(さんこつ)してほしい」といった個人的な希望も、遺言書の付言事項(ふげんじこう)として記しておくことで、遺族が迷うことなくあなたの意志を尊重できるようになります。
≪最新トレンド≫
墓じまいの先にある選択
現代では「家」の概念が薄れ、お墓の形も大きく変化しています。
永代供養(えいたいくよう)と樹木葬
「管理の必要がない」ことが最大のメリットです。
2025年、都市部の霊園では、自然に還るイメージの樹木葬や、骨壺を数十年保管した後に合祀するプランが主流となっています。
ゼロ葬と散骨
お墓を持たず、火葬場で遺骨を引き取らない「ゼロ葬」や、海や山に遺骨を撒く「散骨」を希望する方も増えています。
ただし、散骨には自治体ごとの条例や、近隣住民への配慮が必要であり、法的なガイドラインに沿った実施が求められます。
≪重要≫
相続登記義務化が「お墓」に与える影響
2024年4月から始まった相続登記の義務化は、お墓がある土地そのものについても再確認する機会となっています。
墓地の「所有権」と「使用権」
多くの場合、お墓は「お寺や霊園の土地の一部を借りている(永年使用権)」状態です。
しかし、中には「個人所有の土地の中にお墓がある(野墓地)」というケースもあります。
この場合、土地そのものが相続財産となるため、登記義務化の対象となります。
放置すると10万円以下の過料(罰則)の対象となるだけでなく、将来的に土地を売却したり処分したりする際に大きな障害となります。
所有者不明墓地を作らないために
行政書士は、登記簿謄本を確認し、お墓が立っている土地が誰の所有なのか、名義変更が必要なのかを診断します。
これは2025年以降、お墓を守る上で欠かせないチェック項目です。

よくある質問(FAQ)
墓じまいは「終わりの儀式」ではなく、
次世代への「ギフト」である
墓じまいや祭祀承継の準備は、決して先祖を軽んじる行為ではありません。
むしろ、時代の変化に合わせて、形を変えてでも供養を続けていくための「責任ある決断」です。
- 祭祀承継は一人が引き継ぐのが原則であり、トラブルを防ぐには遺言書での指名が最も有効である。
- 改葬(墓じまい)には、自治体の「改葬許可証」が必要な法的行政手続きを伴う。
- 2024年の相続登記義務化に伴い、個人所有の墓地がある場合は名義変更の罰則にも注意が必要。
- お寺との離檀交渉は、感情的にならず「感謝」と「事情説明」を尽くすことが、解決の近道となる。
- 樹木葬や永代供養など、2025年の最新トレンドを取り入れることで、子供や孫に管理の負担をかけない選択が可能になる。
- 行政書士は、書類作成だけでなく、親族や寺院との橋渡し役として、円満な墓じまいをサポートする。
お墓の問題を先送りにすることは、そのまま「次世代の負担」を増やすことに繋がります。
あなたが元気なうちに、法的な裏付けを持って道筋をつけておくこと。
それが、これまでお世話になった先祖への報いであり、これからを生きる家族への最大の優しさです。
「どこから手をつければいいのか」「親族にどう切り出せばいいのか」 そんな悩みがあれば、まずはプロの客観的なアドバイスを受けてみてください。
手続きの複雑さや心理的な重圧を分け合うことで、驚くほどスムーズに、そして穏やかに「その日」を迎えることができるはずです。
あなたの想いが、形を変えても変わらぬ敬意とともに次世代へと受け継がれるよう、私たちは法務の力で誠心誠意お手伝いいたします。
