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「社長の死」で会社を潰さないために
「自分が亡くなっても、息子がそのまま店を継いでくれるだろう」
「会社名義の資産だから、家族で揉めることはないはずだ」
もしあなたが個人事業主や会社のオーナー経営者であれば、その「楽観」は非常に危険です。
経営者の死は、単なる家族の相続問題にとどまらず、「事業の存続」そのものを脅かす重大な局面だからです。
遺言書がないまま経営者が亡くなると、事業用のトラック、店舗の土地、会社の株式、さらには許認可に至るまで、すべての資産が相続人間で「共有」の状態になります。
遺産分割協議がまとまらない限り、事業用の資金は凍結され、取引先への支払いや従業員の給与支払いが滞り、最悪の場合は倒産という結末を迎えかねません。
今回は、行政書士の視点から、経営者が自らの事業を守り、後継者にスムーズにタスクを引き継ぐための「事業承継遺言」の書き方について解説します。
2024年4月から施行された「相続登記の義務化」への対応や、事業用資産特有の注意点など、2025年現在の最新法令に基づいた実戦的な知識をお届けします。
個人事業主が直面する
「事業用資産の散逸」リスク
個人事業主の場合、事業で使っている資産とプライベートの資産が法的に区別されていません。
これが、相続において最大の障壁となります。
事業用設備もすべて「遺産分割」の対象
店舗併用住宅、配達用の車両、工場の機械、そして事業用口座の現金。
これらはすべて遺産分割協議の対象です。
遺言書がない場合、これらを後継者一人に集中させるには、他の相続人全員の同意(実印と印鑑証明)が必要になります。
もし一人でも「法定相続分として、工場の土地を売り払って現金で分けろ」と主張する親族がいれば、その時点で事業継続は不可能になります。
屋号や事実上の営業権はどうなる?
屋号(店名)自体は、相続によって当然に承継されるものではありません。
後継者が引き続きその屋号を使用するためには、遺言書で「屋号を含む一切の事業用資産を承継させる」と明記し、対外的にもその意思を示しておくことが重要です。
株式会社のオーナーが遺言で
「株式」を指定すべき理由
会社組織にしている場合、最も重要なのは「自社株」の行方です。
議決権が分散すると、
「何も決まらない会社」になる
オーナー経営者が亡くなり、株式が複数の子供たちに分割されてしまうと、会社の意思決定機関である株主総会で議決が取れなくなります。
役員の選任も、役員報酬の決定も、定款の変更もできず、会社としての機能が麻痺してしまいます。
後継者が経営権を完全に掌握するためには、遺言書によって株式を後継者に集中させることが絶対条件です。
株式の「準共有」状態を回避せよ
遺産分割が成立するまでの間、株式は相続人全員の「準共有」という状態になります。
この状態では、株主としての権利を行使するために「権利行使者」を一人選任しなければならず、ここでも親族間の話し合いが必要になります。
遺言書で株式の帰属先を決めておくことは、会社の安定経営に直結するのです。
2024年開始
「相続登記の義務化」と事業用不動産
2024年4月1日から、不動産の相続を知った日から3年以内に登記をすることが義務化されました。
これは事業用不動産を持つ経営者にとって無視できない改正です。
過料のリスクと取引先からの信用
正当な理由なく登記を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。
しかし、それ以上に恐ろしいのは「取引先や銀行からの信用失墜」です。
事業用不動産の名義が亡くなった先代のまま放置されていると、銀行からの追加融資が受けられなくなったり、店舗の建て替えができなくなったりします。
遺言書で「この土地は後継者が継ぐ」と定めてあれば、相続発生後、後継者が単独で速やかに登記申請を行うことができ、事業の継続性を証明できます。
事業承継遺言で書くべき
「4つの重要条項」
行政書士が実務で作成する際、特に重視する条項を紹介します。
① 特定の承継人への「包括的な」承継
「事業に関する一切の権利義務(什器備品、売掛金、買掛金、借入金等を含む)を、後継者である〇〇に相続させる」といった包括的な条項を入れることで、漏れのない承継を目指します。
② 遺言執行者の指定(重要度:高)
経営者の相続では、手続きのスピードが命です。
行政書士などの専門家を遺言執行者に指定しておくことで、他の相続人の協力を得ずとも、遺言執行者の権限で銀行口座の名義変更や株式の名義書換を迅速に行うことができます。
これにより、資金ショートのリスクを最小限に抑えられます。
③ 遺留分に関する配慮と付言事項
後継者に資産を集中させると、他の相続人の「遺留分(最低限の取り分)」を侵害する可能性が高まります。
ここで無理な配分を押し通すと、死後に「遺留分侵害額請求」が発生し、後継者が多額の現金を支払わなければならなくなります。
遺言書の中に、なぜ後継者に集中させるのか、他の相続人にはどのような形で配慮したのかを付言事項として丁寧に記し、家族の納得感を得ることが、紛争予防の鍵となります。
④ 許認可の承継に関するフォロー
建設業や飲食業など、多くの事業には行政の許認可が必要です。
これらは遺言書があるからといって自動的に引き継げるわけではなく、別途、行政庁への届け出や再申請が必要になります。
遺言書で後継者を明確にしておくことは、これらの行政手続きをスムーズに進めるための強力な証拠資料となります。
「おひとり様経営者」と
「事業用信託」の活用
近年増えている、後継者がいない、あるいは親族以外への承継(第三者承継・M&A)を考えているケースについても触れておきます。
親族以外に継がせる「遺贈」
従業員や知人に事業を譲りたい場合は、「相続させる」ではなく「遺贈する」という形になります。
この場合、法定相続人の遺留分との兼ね合いがよりシビアになるため、事前の綿密な設計が不可欠です。
経営権だけを先に渡す「信託」の検討
遺言書は「死後」に効力が発生するものですが、生きているうちから経営権を段階的に移譲したい場合は、家族信託(民事信託)と遺言を組み合わせる手法も有効です。
行政書士は、これらの複雑な契約書の設計と作成もサポートしています。
行政書士が
「事業の伴走者」としてできること
事業承継は、単なる書類作成ではありません。
財産目録の精査と「見える化」
事業用資産は多岐にわたります。
まずは、どの資産が誰の名義で、どのように使われているのかを洗い出し、正確な財産目録を作成します。
これは、将来の紛争を未然に防ぐための第一歩です。
法務・実務のワンストップ対応
許認可の維持、契約書の書き換え、定款の変更、そして遺言書の作成。
事業承継には膨大な法的手続きが伴います。
当事務所では、これらの実務を一手に引き受けることで、経営者が最後まで安心して本業に専念できる環境を整えます。
よくある質問(FAQ)
事業承継遺言は、あなたから
従業員と家族への「責任」です
経営者にとって、遺言書を書くことは単なる終活ではありません。
それは、自分が人生をかけて築き上げた事業、そしてそこで働く従業員の雇用、さらには支えてくれた家族の未来を確実につなぐための「経営判断」そのものです。
- 個人事業主の資産は放置すると散逸し、事業継続が不可能になるリスクがある。
- 株式会社のオーナーは、株式を後継者に集中させる旨を遺言で明記しなければならない。
- 相続登記の義務化により、事業用不動産の名義変更を速やかに行う法的・実務的必要性が高まっている。
- 遺言執行者の指定は、資金凍結などの緊急事態を回避するための必須事項である。
- 遺留分への配慮と付言事項によるメッセージが、親族間の紛争を防ぎ、事業を安定させる。
- 行政書士は法務のプロとして、許認可や契約関係を含めたトータルな承継をサポートする。
「まだ早い」と思っている間に、万が一の事態は訪れるかもしれません。
あなたが築いてきた屋号や技術、そして信頼が、手続きの不備によって途絶えてしまうのはあまりにも惜しいことです。
私たちは、あなたの経営哲学を理解し、それを法的に有効な形へと落とし込むパートナーです。
事業承継という大きな壁を、共に乗り越えていきましょう。
まずは現在の資産状況や、あなたの描く「次世代のビジョン」を聴かせてください。そこから、最高の一枚を創り上げていきます。
あなたの事業が、世代を超えて末永く愛され続けるために、今できる最善の準備を始めましょう。
