30代・40代にも必要?遺言は「人生のもしも」に備える未来設計図

目次

はじめに:「遺言なんて、まだまだ先の話でしょ?」

30代・40代の方に「遺言」について話をすると、返ってくるのはこの言葉です。

「まだ若いし、健康だし」
「財産もそれほどないから関係ない」
「親の相続なら分かるけど、自分にはまだ必要ない」

しかし、もし明日突然、あなたに“もしも”が起きたとしたら——
あなたの大切な人は、困らないでしょうか?
あなたの想いや希望は、きちんと残されるでしょうか?

実は、「元気なうちに遺言を書く」ことは、30代・40代こそ考えるべき大切な行動なのです。

30代・40代が直面する「リアルな現実」

若い世代だからこそ、遺言の重要性があるケースをご紹介します。

📌ケース①:子どもがまだ小さい共働き家庭

共働き家庭では、家計も育児も協力して支え合っています。
どちらかにもしものことがあった場合、パートナーが受け取る財産や、子どもの将来の学費をどうするか、明確にしておくことで安心感が生まれます。

特に、法定相続人以外の人へ財産を残したい場合(例:実の子でない子への配慮など)は、遺言がなければ希望は反映されません。

📌ケース②:未婚・子なし、両親が高齢

法定相続人がいない、または親しかいない状態で亡くなると、相続人の調査や遺産分割が非常に煩雑になります。
遺言を残しておけば、財産の使い道や寄付、信頼できる人への遺贈などがスムーズにできます。

📌ケース③:身近に家族がいない or 多様なつながりの中で暮らしている人へ

30代・40代では、独身・事実婚・同性パートナー・親と同居していない人など、家族の形が多様化しています。
このような場合、「法定相続人ではない人に財産を残したい」というニーズが出てくることがあります。

たとえば――

  • 長年付き合っているパートナーがいても、婚姻関係がなければその人には何も相続されない
  • 支えてくれた友人に「ありがとう」を形にしたい
  • お世話になった団体やボランティア団体に寄付したい
  • 地元に住む甥や姪に少し残してあげたい

これらは、遺言がなければ一切実現できません。

また、近年では「ペットも家族」という考え方が広まりつつありますが、日本の法律上、ペットは“物”扱いのため、ペット自身に財産を遺すことはできません。

しかし、遺言でペットを託す人を指定し、その人に必要な費用を遺贈するといった方法を取れば、ペットの安心した暮らしを確保することが可能です。

例:
「愛犬ココをAさんに託し、その飼育費として100万円をAさんに遺贈する」
「ペット信託を活用し、管理者に定期的な支払いを指示する」

こうした内容も、公正証書遺言ではもちろん、自筆証書遺言でも有効に残せます。

🔑補足:ペットのことを託したい人がいない場合は?

ペットの引き取り先がいない場合でも、動物保護団体に引き取りを依頼し、そこに寄付を残すという形を取ることが可能です。
一部の団体では、「終生飼養制度」を設けているところもあります。
ペットを守るためにも、「元気な今こそ準備する」ことが大切なのです。

そもそも「財産が少ない人」こそ、遺言が必要な理由

「大きな財産がある人だけが書くもの」と思われがちですが、実は逆です。

財産が多い人は、相続の際に税理士や弁護士などの専門家が入ることが一般的です。
しかし、財産がそれほど多くない人同士の相続こそ、「もめやすい」のです。

・きょうだい間の不平等感
・「あれは自分がもらうはずだった」といった主張
・親の介護を誰がどれだけ負担したかの感情的な争い

こうした争いは、はっきりと遺言で意思表示しておけば、防げることがほとんどです。

遺言は「未来への優しさ」

30代・40代のうちに遺言を書くことは、未来の自分、そして家族への優しさです。

  • 子どもにトラブルを残さない
  • パートナーを守る
  • 大切な人に「ありがとう」を伝える
  • 万一のとき、誰も困らないようにしておく

「今は必要ない」と思うかもしれませんが、「書いておくことで安心できる」という声は、書いた方から必ず聞かれる言葉です。

書き方のハードルも、実は低くなってきている

「公正証書遺言は費用も手間もかかるのでは?」と感じるかもしれません。
ですが、最近は手軽に始められる「自筆証書遺言」+法務局保管制度があり、費用も数千円で済みます。

自筆であっても、法的にしっかりと有効な内容にしておけば、十分に機能します。

おわりに:未来は今から備えられる

遺言は「死」を考えるものではありません。
むしろ、「今、自分がどう生きたいか」「大切な人をどう守りたいか」を考える、未来の設計図です。

次回は、「遺言が心の整理になる理由」についてお話しします。

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