遺言の基礎のキ④:遺言書が特に必要なケース

皆さん。こんにちは。
かとう行政書士事務所です。
全5回にて【遺言】についての基礎的なお話しをいたしております。
今回はその4回目です。ぜひ最後までご覧ください。

目次

第4回目テーマ:遺言書が特に必要なケース

これまで、遺言書の重要性や作成時のポイントについて解説してきました。
しかし、「自分には遺言書は必要ないのでは?」と思っている方もいるかもしれません。

実は、遺言書が特に重要になるケースがあります。
今回は、遺言書の作成を強くおすすめしたい具体的なケースについてお話しします。

1. 相続人同士のトラブルを避けたい場合

相続は親族間の問題が絡むため、遺産分割をめぐる争いが発生しやすいものです。
特に以下のような状況では、遺産をめぐるトラブルが起こる可能性が高くなります。

相続人の人数が多い場合
相続人が多くなると、意見がまとまらず、相続手続きが長引くことがあります。
遺言書があれば、遺産の分け方が明確になり、スムーズな相続が可能です。

特定の相続人に多くの財産を渡したい場合
例えば、「長男に家を継がせたい」「介護をしてくれた子どもに多めに財産を分けたい」などの希望がある場合、遺言書がないとそんなご自身の意思を反映させることが難しくなってしまいます。

不動産が主な財産の場合
不動産は分割しにくい財産のため、相続人同士で意見が対立しやすくなります。
遺言書で「誰に相続させるか」を明確にしておくことで、トラブルを防げます。

2. 子どもがいない夫婦の場合

夫婦に子どもがいない場合、遺言書がないと亡くなった方の親や兄弟姉妹に相続権が発生します。

例:遺言書がない場合の相続
夫が亡くなった場合、妻がすべての財産を相続できるわけではありません。
夫の親が存命なら、妻が3分の2、夫の親が3分の1を相続します。
親がいない場合は、夫の兄弟姉妹が相続人になります。

これを防ぐためには、「すべての財産を妻に相続させる」という遺言書を作成しておくことが重要です。

3. 事実婚・内縁関係のパートナーに財産を残したい場合

法律上の婚姻関係にない事実婚(内縁関係)のパートナーには、法定相続の権利がありません。
そのため、遺言書を作成しておかないと、パートナーに財産を残すことができません

遺言書がない場合
亡くなった人の財産はすべて法律上の親族に渡ります。
長年連れ添ったパートナーがいても、財産を受け取ることはできません。

遺言書を作成するメリット
「パートナーに〇〇円を遺贈する」と明記しておくことで、パートナーも財産を受け取ることができます。

4. 会社を経営している場合

経営者が亡くなると、会社の株式や事業資産の相続問題が発生します。
遺言書がないと、事業承継がスムーズに進まず、会社の存続が危うくなる可能性があります。

遺言書で決めておくべきこと

  • 後継者を明確にする(誰が経営を引き継ぐのか)
  • 株式の分配方法(会社の支配権をどうするか)
  • 事業資産の承継(設備や不動産の所有者を決める)

特に、株式が分散すると経営権の問題が発生するため、遺言書による事前の対策が不可欠です。

5. 相続人がいない場合

法定相続人(配偶者・子・親・兄弟姉妹)がいない場合、遺産は最終的に国のものになります。
しかし、遺言書があれば、自分の財産を特定の人や団体(慈善団体・親しい友人など)に寄付することができます。

遺言書を作成することで可能になること

  • お世話になった人に財産を遺贈する
  • 慈善団体やNPOに寄付する
  • 信頼できる人に遺産管理を任せる

遺言書を作成しておくことで、自分の財産を有意義に活用できます。

まとめ

遺言書が特に必要なケースは以下の通りです。

1️⃣ 相続人同士の争いを避けたい場合(特に不動産がある場合)
2️⃣ 子どもがいない夫婦の場合(配偶者に財産を確実に残すため)
3️⃣ 事実婚・内縁関係のパートナーに財産を残したい場合
4️⃣ 会社を経営している場合(事業承継をスムーズにするため)
5️⃣ 相続人がいない場合(財産の行き先を指定するため)

これらに当てはまる方は、早めに遺言書を作成しておくことをおすすめします。

次回は、最終回として「遺言書作成後にすべきこと」について解説します!

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