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「親が借りていた土地の家を相続することになったが、地主さんに挨拶は必要?」
「地主から『名義が変わるなら承諾料を払え』と言われたが、払わなければならないの?」
東京・中野区をはじめとする都市部では、土地を借りて家を建てる「借地権(しゃくちけん)」が数多く存在します。
借地権も立派な相続財産であり、高額な価値を持つ一方で、所有権(持ち家・持ち土地)とは全く異なるルールで動いています。
特に注意が必要なのは、借地権の相続においては「地主の承諾」や「承諾料の支払い」は原則として不要であるという法的事実です。
これを知らずに地主の言いなりになってしまい、不要な費用を支払ってしまう遺族が後を絶ちません。
本記事では、相続手続きを専門とする行政書士が、最新の借地借家法と民法の規定、そして実務上のデータに基づき、借地権の相続を円満に進めるための全知識を解説します。
借地権とは何か?
相続における法的性質
借地権とは、建物を建てるために他人の土地を借りる権利のことです。
法律上は「建物所有を目的とする地上権または土地の賃借権」を指します(借地借家法第2条第1号)。
所有権との決定的な違い
土地の所有権であれば、固定資産税を払い、自分の自由に活用できます。
しかし、借地権の場合は、毎月の「地代」の支払いが発生し、建物の建て替えや売却には「地主の承諾」が必要になるという制約があります。
相続財産としての価値
借地権は、更地価格に「借地権割合」を乗じて価値を算出します。
都市部では土地価格の60%〜70%が借地権の価値とされることも多く、数千万円単位の大きな財産となります。
そのため、相続税の申告対象になることも忘れてはいけません。
地主の承諾は不要!
相続と譲渡の大きな違い
借地権の相続において、最も多くの方が誤解しているのが「地主への承諾」についてです。
ここには明確な法的根拠があります。
相続は「包括承継」である
民法第896条により、相続人は亡くなった人の権利義務をそのまま引き継ぎます。
これを「包括承継」と呼びます。
最高裁判所の判例でも、「相続による借地権の移転は、賃借権の譲渡(民法第612条)には当たらない」と確立されています。
つまり、以下のことが言えます。
- 地主の承諾を得る必要はない
- 名義書換料(承諾料)を支払う義務はない
- 地主が相続を拒否することはできない
≪注意≫
「遺贈(いぞう)」の場合は話が変わる
遺言書で「相続人以外(愛人、友人、お世話になった人など)」に借地権を譲る場合は、相続ではなく「譲渡」とみなされます。
この場合は、地主の承諾が必要になり、承諾料の支払いも発生します。
借地権の相続手続き
~具体的な3つのステップ~
実務上、借地権の相続は以下の手順で進めます。
≪ステップ1≫
建物の名義変更(相続登記)
借地権自体を登記することは稀ですが、その土地の上に建っている「建物」は必ず亡くなった方の名義になっています。
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。
建物の名義を速やかに相続人に変更することが、借地権を第三者に対抗(主張)するための最大の防衛策となります。
≪ステップ2≫
地主への通知(挨拶)
法的に承諾は不要ですが、今後も地代を払い続ける関係ですから、挨拶は欠かせません。
「父が亡くなり、長男である私が借地権を引き継ぎました。今後の地代はこちらの口座から振り込みます」
という旨を、書面または対面で伝えます。
≪ステップ3≫
賃貸借契約書の書き換え(任意)
契約書を書き換える必要は必ずしもありませんが、地主から求められたり、契約期間の更新時期が近かったりする場合は、新名義人での契約書を作成します。
この際、「名義書換料」の名目で不当な請求をされないよう、行政書士などの専門家に内容を確認させることが重要です。
≪実務データから見る≫
地主とのトラブル事例と解決策
土地の賃貸借は、数十年という長いスパンの契約です。
相続をきっかけに、潜在していた問題が表面化することがあります。
≪ケース1≫
「名義が変わるなら更新料を今払え」
と言われた
データによると、借地権の相続をきっかけに地主が更新料の前払いや地代の値上げを要求してくるケースは約20%にのぼります。
しかし、相続は更新時期とは無関係です。
契約書に記載された更新時期が来るまでは、これに応じる必要はありません。
≪ケース2≫
地主が地代の受け取りを拒否した
「新しい相続人とは契約したくない」と地主が地代の受け取りを拒否することがあります。
ここで支払いを止めると「賃料不払い」による契約解除の口実を与えてしまいます。
≪解決策≫
法務局で「供託(きょうたく)」という手続きを行います。
これにより、法的に支払ったものとみなされ、借地権を守ることができます。
≪最新実務≫
旧法借地権と新法借地権
相続した借地権が「いつの契約か」によって、受けられる保護の強さが異なります。
旧法借地権(1992年7月以前の契約)
現在相続が発生している多くのケースがこれに該当します。
- 更新が非常に強力
建物がある限り、地主が更新を拒否するには「正当な事由」が必要で、事実上、半永久的に借り続けることができます。 - 相続人にとって有利
資産価値が高く、売却時も有利に働きます。
新法借地権(1992年8月以降の契約)
「定期借地権」などが含まれます。
- 期間満了で終了するケースがある
契約期間が終わると更地にして返さなければならない契約があるため、相続する前に契約書の内容を精査する必要があります。
行政書士は、古い契約書(茶封筒に入った手書きのものなど)を読み解き、現在の法律に照らしてどのような権利状態にあるかを正確に診断します。
借地権を「いらない」
と思った時の選択肢
相続したものの、遠方に住んでいて住む予定がない、あるいは老朽化が激しい場合、どうすればよいでしょうか。
1. 地主に買い取ってもらう(底地との併合)
地主にとって、自分の土地が自由に使えるようになるのは大きなメリットです。
借地権を地主に買い取ってもらう、あるいは地主の持つ「底地(そこち)」を自分が買い取って完全な所有権にすることを交渉します。
2. 第三者に売却する
この場合は「地主の承諾」と「譲渡承諾料(名義書換料)」が必要になります。
承諾料の相場は、借地権価格の10%程度です。
もし地主が承諾しない場合は、裁判所に「代諾許可(だいだくきょか)」を求める手続きもあります。
3. 相続放棄する
借地権だけでなく、すべての財産を放棄することになります。
空き家放置の問題(特定空家への指定リスク)があるため、慎重な判断が必要です。
行政書士に借地権の相続を
依頼するメリット
借地権の相続は、単なる書類作成だけでは終わりません。
巧妙な「地主交渉」のサポート
行政書士は、地主に対して「法的に承諾料は不要である」という根拠を示しつつ、今後の関係が悪化しないような角の立たない通知書を作成します。
感情的になりやすい当事者同士の間に専門家が入ることで、トラブルを未然に防ぎます。
複雑な不動産調査
借地権の範囲、境界の有無、建物の登記状況などを徹底的に調査します。
特に古い街並みでは、隣の家が自分の敷地にはみ出している(越境)ケースもあり、これらを整理した上で相続を進める必要があります。
他士業との連携
売却が必要なら不動産業者、争いになれば弁護士、相続税が発生すれば税理士と、借地権特有の広いネットワークを活かしてワンストップで対応します。
よくある質問(FAQ)
- 地主から「名義が変わったから契約書を作り直す、事務手数料として50万円払え」と言われました。
-
事務手数料として数万円程度なら慣習として支払うこともありますが、50万円は法外です。
相続における名義変更に承諾料は不要であるという判例を提示し、毅然と対応すべきです。 - 相続人が複数います。借地権を共有にしてもいいですか?
-
あまりお勧めしません。
将来売却したり、建て替えたりする際に全員の同意が必要になり、手続きが動かなくなるリスクがあるからです。
原則として「建物に住む人」が一人で継ぐのが実務上の定石です。 - 建物がボロボロで住めないのですが、勝手に建て替えてもいいですか?
-
絶対にダメです。
相続による名義変更は承諾不要ですが、「建て替え(増改築)」には地主の承諾が必要です。
無断で建て替えると契約解除の理由にされてしまいます。
借地権の相続は
「知識」が最大の武器になる
借地権の相続は、地主という利害関係者が存在する特殊な手続きです。
しかし、法律(借地借家法・民法)は、弱い立場になりやすい借地人を強く保護しています。
正しい知識を持ち、適切な手順で地主に挨拶を行えば、恐れることは何もありません。
- 借地権の相続に「地主の承諾」や「名義書換料」は一切不要である
- 相続をきっかけに地主が条件変更(値上げ等)を迫ってきても、応じる義務はない
- 相続発生後は、まず建物の「相続登記」を速やかに行い、権利を保全する
- 「遺贈(相続人以外への譲渡)」の場合は、地主の承諾が必要になる点に注意
- 地代の受け取りを拒否された場合は、直ちに「供託」手続きを行う
- 地主との交渉や古い契約書の解読は、行政書士に依頼するのが最も安全である
借地権は、適切に管理・承継すれば、都市部において非常に価値のある資産となります。
地主さんとの良好な関係を保ちつつ、正当な権利を守るために、初期段階で専門家のアドバイスを受けることを強くお勧めします。
行政書士は、借地権特有の複雑な手続きや地主さんへの通知代行など、現場に即した柔軟なサポートを行っております。
「地主さんと話すのが不安」「古い契約書で内容が分からない」という方は、ぜひ一度、行政書士にご相談ください。
大切な住まいと権利を、次の世代へ。
私たちは、プロフェッショナルとして、皆様の安心な相続を全力で支え続けます。

