こんにちは。かとう行政書士事務所です。
前回は「応募が来ない」問題について、求人原稿の改善ポイントを中心に解説しました。
今回は、そもそも「どこに求人を出すか」=募集チャネルの選び方に焦点を当てていきます。
■「人が来ない」のは、そもそも“見てない”からかも
求人原稿をどれだけ丁寧に書いても、求職者の目に触れなければ意味がありません。
つまり、「人がいる場所」に出していない=反応がないのは当然です。
「ハローワークに出しても応募がない」
「Indeedに載せたけど見られてない」
そんなときは、媒体選びや情報発信の手段を見直す必要があります。
■ 募集チャネルの種類と特徴
まずは、代表的な募集チャネルを一覧で見てみましょう。
チャネル | 特徴 | 向いている採用 |
---|---|---|
ハローワーク | 無料。地域密着型。求人数が非常に多く埋もれがち | 地域の未経験者、主婦層などの採用 |
求人広告媒体(マイナビ等) | 有料。露出高いがコストもかかる | 若手、経験者を広く集めたいとき |
Indeed・求人検索エンジン | 無料+有料広告も可能。SEO型求人 | キーワード検索で拾ってもらいやすい求人 |
自社HPの採用ページ | 独自性高いが、導線が必要 | 応募意欲の高い人材/指名応募 |
SNS(Instagram/Xなど) | 無料。拡散性・信頼感に強み | 会社の雰囲気や人間性を伝えたい場合 |
人材紹介会社 | 成果報酬制。ハイスペック人材に強い | 即戦力・専門職採用に適する |
知人紹介(リファラル) | コストゼロ。定着率高い | 価値観の合う人材が来やすい |
地域のフリーペーパー/折込 | 地元密着。高齢層・パート層に効果 | 現場系・短時間勤務の求人 |
■ 中小企業こそ、“複数チャネルの併用”を
大手企業と違い、中小企業は「一つの媒体だけで人が集まる」ケースは少数です。
だからこそ、次のような「チャネルの使い分け戦略」が重要です。
◉ 基本は「2〜3チャネルの併用」
- 例:ハローワーク + Indeed(無料掲載)+ 自社採用ページ
- 例:SNSで会社の雰囲気を発信 → 求人ページに誘導
それぞれのチャネルに役割を持たせることで、露出の総量が増え、応募導線が多角化されます。
■ 採用ターゲット別 おすすめチャネルの使い分け
◉ 未経験〜20代の若手
- SNS広告、Instagramの運用
- IndeedやLINEバイト系アプリ
- カジュアル面談の導入でハードルを下げる
👉 「スマホで応募完結」「写真で雰囲気が伝わる」など、感覚的な接点が重要
◉ 30〜50代の経験者層(中途)
- 人材紹介会社/求人広告媒体
- ハローワークの利用(意外と層が広い)
- 自社HPでしっかり理念や待遇を明記
👉 「職場環境の安定性」や「代表者の考え方」に共感される設計がカギ
◉ パート・アルバイト層(主婦・シニア)
- 地域密着型アプリ(ジモティー、しゅふJOBなど)
- 折込チラシや店頭ポスター
- 知人紹介・口コミの活用
👉 「家から近い」「融通が利く」「雰囲気が優しそう」などが決め手になるケースが多い
■ SNS・自社メディアの活用は今後のスタンダード
近年、中小企業でもInstagramやnote、YouTubeなどを使って会社の雰囲気や社員紹介を積極的に発信する事例が増えています。
特に小規模な会社では、「代表の人柄」や「社員の雰囲気」こそ最大の魅力になるため、SNSでそれをリアルに伝えることが、応募者との信頼関係づくりに直結します。
■ 自社に合うチャネルを見極めるには?
以下の3つの観点から判断するのがコツです。
- 「ターゲットの年齢層や生活スタイル」
→ 若年層ならスマホとSNS、主婦なら昼間のメディア - 「求人の緊急度・難易度」
→ 今すぐ欲しいか、良い人がいれば良いかで選択が変わる - 「予算と費用対効果」
→ 高額広告を出して1名も採れないより、無料チャネル+時間をかけてのほうが確実な場合も
■ まとめ:チャネルは“点”ではなく“導線”で考える
大切なのは、「どの媒体に出すか」ではなく、「どの媒体からどうやって応募まで誘導するか」という導線設計です。
▼ 例
Instagramで社員紹介 → 自社HPへ誘導 → 応募フォームへ
こうした「知って・興味を持って・応募する」流れをつくることで、採用活動はより効率的で成果の出るものになります。