採用実務ガイド:「年間採用計画」の立て方と見直し方

こんにちは。中野区のかとう行政書士事務所です。
これまで採用支援ブログでは、採用戦略や求人原稿、ブランディングなど、採用の「基本設計」に焦点を当ててきました。

今回からの新シリーズでは、中小企業のための“実務で使える”採用運用ガイドとして「日々の採用業務の実践」にフォーカスし、より現場で使える具体的なノウハウを提供していきます。

第1回のテーマは、「年間採用計画の立て方と見直し方」です。

目次

■ 採用は“戦術”ではなく“戦略”で決まる

中小企業にとって、人を採ることは経営そのものです。
にもかかわらず、実際には「辞めたから」「忙しくなったから」といった理由で、急ごしらえの採用活動が始まるケースが大半です。

すると、以下のような問題が起こります:

  • 思ったように応募が来ない
  • 採用にかけた費用が無駄になる
  • 面接や入社対応が後手に回り、印象が悪くなる
  • 良い人が来ても準備が整わず、逃してしまう

こうした“もったいない採用”を防ぐには、事前に「年間の採用活動を設計しておく」ことが必要です。

■ 年間採用計画をつくる5つのステップ

① 採用ニーズの洗い出し(定量+定性)

まずは、「いつ・どこに・どんな人が必要か」を明確にします。
ここで重要なのは、人数だけでなく、“なぜ必要か”という理由を掘り下げること。

  • 売上増に伴う人員追加?
  • 退職予定の穴埋め?
  • 新規事業や部署新設?

「何を目的に人を採るのか」を整理することで、後の求人戦略にも一貫性が生まれます。

② 年間スケジュールの設計

例えば次のような流れで年間の流れを俯瞰します。

採用活動備考
1月採用計画の見直し・予算調整年初の戦略立て
3月新卒採用の媒体掲載開始既存社員の配置見直し
6月パートタイマーの追加募集繁忙期に向けての準備
9月中途採用の重点月予算消化と最終枠調整
12月面談・評価・翌年計画立案内部人材の確認も

→ “年間スケジュール表”をつくって社内で共有することで、現場や経営層とのコミュニケーションがスムーズになります。

③ 採用チャネル・媒体の選定

「どこで人を集めるか」は業種や職種によって異なります。

  • ハローワーク
  • 自社ホームページ・SNS
  • 求人媒体(リクナビ、マイナビなど)
  • 知人紹介・リファラル採用

予算・期間・求める人物像に応じて、媒体の選定と時期を決めておくことが重要です。

④ 採用予算の計画

採用活動には、以下のようなコストが発生します:

  • 媒体掲載料(3~80万円/月など)
  • 人材紹介手数料(年収の20~35%が相場)
  • 面接・研修の人件費
  • 採用ツール(チラシ、パンフレット等)

→ 年間予算のなかで採用費を「枠取り」しておき、突発的な出費を抑えましょう。

⑤ 社内体制の整備

面接や選考は、採用担当者ひとりでは対応しきれません。

  • 面接官の事前教育
  • 応募者対応マニュアルの整備
  • 評価シートの統一化
  • 採用に関わる部署との事前共有

こうした準備が整っていると、「受け入れられる会社」としての印象も高まり、採用成功率が大きく向上します。

■ 「柔軟に見直せる」採用計画こそ理想

年間計画は、予想通りにすべて進むものではありません。

  • 思ったより退職者が出なかった
  • 急に新規事業が動き始めた
  • 応募がまったく来ない or 想定以上に来た

だからこそ、「月1回の振り返り」や「四半期ごとの見直し」を習慣化しましょう。

“固めすぎないけれど、全体像は常に見える”という状態を保つことが、安定的な採用力の第一歩です。

■ まとめ:採用は「準備が8割」

採用活動で後悔するケースの多くは、「準備不足」に原因があります。

  • 急に採用を始めて時間が足りない
  • 求人原稿が場当たり的で魅力が伝わらない
  • 面接がバタバタで印象を悪くしてしまった

こうしたトラブルを防ぐには、年間を通じた「迎える準備」が欠かせません。

人を採ることは、経営にとっての最大の投資です。
だからこそ、“戦略的に計画し、継続的に改善する”という視点を持ちましょう。

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