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「日本の遺言書」だけでは、ハワイの不動産もシンガポールの預金も守れない?
「昔住んでいたアメリカに口座が残っている」
「資産分散のために東南アジアのコンドミニアムを購入した」
「子供が海外の大学を卒業し、そのまま現地で就職・定住した」
グローバル化が進んだ現代、このようなケースは決して珍しくありません。
しかし、相続の現場で直面するのは、「日本の法律で作った遺言書が、海外では全く役に立たない」という厳しい現実です。
海外に資産がある場合の相続(国際相続)は、日本の法律だけでなく、現地の法律、現地の税制、そして何よりプロベート(Probate)と呼ばれる、日本にはない非常に厄介な裁判所の手続きが立ちはだかります。
これを放置すると、遺族は数年の歳月と数百万円の費用を費やし、最悪の場合は資産が凍結されたまま引き出せなくなるリスクすらあります。
今回は、行政書士の視点から、国際相続の知られざる落とし穴と、2025年現在において推奨される「海外資産専用の遺言対策」を解説します。
なぜ国際相続は
これほどまでに複雑なのか?
日本の相続は「人が亡くなった瞬間に、当然に相続人に権利が移る(当然承継)」という考え方です。
しかし、世界には全く異なるルールが存在します。
法の適用範囲
「相続統一主義」vs「相続分割主義」
まず、どの国の法律が適用されるか(通則法)という問題があります。
- 日本・ドイツなど(相続統一主義)
どこの国の財産であっても、亡くなった人の本国法(日本人の場合は日本法)を適用します。 - アメリカ・イギリス・フランスなど(相続分割主義)
動産(預金など)は本国法ですが、不動産(土地・建物)については、その「不動産がある場所の法律」を適用します。
つまり、日本人がアメリカに不動産を持っている場合、その不動産の相続についてはアメリカの州法が適用され、日本の遺言書の形式では不十分とされるケースがあるのです。
税務当局の監視:CRS(共通報告基準)
現在、世界各国の税務当局はCRS(共通報告基準)に基づき、非居住者の口座情報を自動的に交換しています。
「海外の預金ならバレないだろう」という時代は完全に終わりました。
日本の税務署は、あなたの海外資産を把握しています。
適切な遺言と納税準備がなければ、死後に遺族が税務調査に翻弄されることになります。
最大の難関
「プロベート(Probate)」の正体
英米法(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど)の国々に資産がある場合、避けて通れないのがプロベートです。
裁判所の管理下で行われる「遺産清算」
プロベートとは、裁判所の監督の下で、遺言書の有効性を確認し、債務を支払い、残った財産を相続人に分配する手続きです。
日本では役所や銀行に書類を出せば済みますが、これらの国々では裁判所の許可がなければ、1円も引き出すことができません。
遺族を苦しめる「時間」と「コスト」
プロベートには通常、1年から3年ほどの時間がかかります。
その間、現地の弁護士を雇う必要があり、その費用は遺産総額の数パーセントに及ぶこともあります。
もし日本の遺言書しかない場合、その遺言書が現地法で有効かどうかを証明するだけで膨大な手間がかかり、手続きはさらに長期化します。
≪失敗事例≫
日本の公正証書遺言が海外銀行で拒絶された
行政書士の相談現場でよく聞かれるのが、「日本の公証役場で立派な遺言書を作ったのに、海外の銀行に認めてもらえなかった」という事例です。
サイン文化と印鑑文化の壁
日本の遺言書は「署名捺印」が基本ですが、海外では印鑑の文化がありません。
また、公正証書遺言であっても、現地の言葉(英語など)に翻訳し、さらにアポスティーユ(外務省の認証)や領事認証を取得しなければ、公的書類として認められません。
それだけではありません。
現地の銀行の規約により、「現地の法律に準拠した形式でなければ受理しない」という独自のルールを設けているケースが非常に多いのです。
海外資産を守る「3つの最強対策」
国際相続のトラブルを防ぐためには、日本国内だけの視点を捨てることが重要です。
資産がある国ごとに「現地遺言」を作成
これが最も確実な方法です。 日本の資産については日本の行政書士と「日本の遺言書」を作り、海外の資産については現地の弁護士と「現地の遺言書(Local Will)」を作ります。
これを「セパレート・ウィル(分離遺言)」と呼びます。
お互いの遺言書が干渉し合わないよう、適用範囲を明確に記述することが専門家の腕の見せ所です。
ジョイント・テナンシー(共同保有)の活用
アメリカなどの不動産でよく使われる手法です。
夫婦などでジョイント・テナンシー(Joint Tenancy with Right of Survivorship)として登記しておけば、一方が亡くなった際、裁判所の手続き(プロベート)を経ることなく、自動的に生存者に名義が移ります。
TOD(死亡時転送)口座の設定
金融資産については、TOD(Transfer on Death)やPOD(Payable on Death)という設定ができる場合があります。
あらかじめ受取人を指定しておくことで、死後すぐに手続きが可能になります。
ただし、これらは日本の相続税との関係で複雑な計算が必要になるため、必ず専門家のアドバイスが必要です。
行政書士がサポートする
「国際相続のコンサルティング」
国際相続は、もはや一つの国の専門家だけで解決できる問題ではありません。
海外専門家とのネットワーク
私たちは、現地の弁護士や公認会計士と連携し、日本の遺言書と現地の対策が矛盾しないよう調整を行います。
特に、日本の遺言書に「遺言執行者」を定めておくことは、海外手続きにおいて「誰が正当な権限を持っているか」を証明する上で極めて重要です。
英文遺言書(English Will)の作成支援
日本の遺言書をベースにしつつ、海外での手続きを見据えた英文併記の文案作成や、認証手続きのディレクションを行います。
これにより、死後の翻訳コストを下げ、手続きのスピードを劇的に向上させます。
注意すべき「日本の相続税」の罠
海外に資産があるからといって、日本の税金が免除されるわけではありません。
無制限納税義務者という考え方
あなたが日本に住んでいる場合(あるいは過去10年以内に住んでいた場合など)、世界中のどこにある財産に対しても日本の相続税がかかります。
これを全世界財産課税と呼びます。
二重課税の回避(外国税額控除)
現地でも相続税(あるいは遺産税)がかかる場合、同じ財産に二つの国の税金がかかってしまいます。
これを調整するのが「外国税額控除」です。
しかし、この控除を受けるためには、現地の納税証明書を正確に取得し、日本の申告期限(10ヶ月以内)に間に合わせなければなりません。
プロベートで時間がかかっていると、この期限に間に合わないというリスクが生じます。
よくある質問(FAQ)
海を越える資産には、海を越える対策を
海外資産の相続は、時間との戦いであり、法律の境界線を知る戦いです。
- 国際相続では、日本の常識(当然承継)が通用しない国が多く、裁判所の手続きが必要になる。
- 英米圏の資産にはプロベートという高い壁があり、放置すると数年の時間と多額の費用をロスする。
- 日本の遺言書だけでなく、資産がある国ごとの現地遺言(Local Will)を作成することが2025年現在の最適解。
- 相続登記義務化やCRSによる資産把握など、国内外の税務・法務の監視は年々厳しくなっている。
- ジョイント・テナンシーやTOD設定など、プロベートを回避するための手法を生前に組み込むべき。
- 行政書士は、国内外の専門家を繋ぐハブとして、グローバルな視点での遺言設計を支援する。
海外に資産を持つことは、素晴らしい成果です。
しかし、その成果が次世代にとっての「重荷」にならないように、今、法的な橋を架けておく必要があります。
「自分の資産はどの対策が必要なのか?」「今の遺言書で海外銀行は通るのか?」 そんな不安を感じたら、まずは現状を整理することから始めましょう。
複雑に絡み合った糸を解き、大切な資産を世界中どこにいてもスムーズに引き継げるようにすること。
それが、グローバル時代における真の資産防衛です。
あなたの築き上げた資産が、国境を越えて、大切な方々の未来を支える力となりますよう、私たちは全力でその道筋を整えます。
