「定着率を高める鍵!中小企業のための“1on1面談”実践ガイド」
~人が辞めない職場づくりは“対話の質”で決まる~
こんにちは。東京都中野区のかとう行政書士事務所です。
前回はオンボーディング施策として、入社後1ヶ月のフォロー体制についてご紹介しました。今回はその中でも特に効果の高い「1on1面談」について、具体的な導入方法・運用のコツ・注意点などを詳しく解説します。
■ なぜ1on1面談が必要なのか?
多くの中小企業では「人がすぐ辞めてしまう」「本音が聞けない」という課題があります。
これらの要因の多くは、“上司と部下の対話不足”によって引き起こされています。
1on1面談は、「上司と部下が定期的に1対1で話す時間」を確保することで、
- 本音を引き出す
- 成長を支援する
- 不安や不満を早期にキャッチする
という大きな効果をもたらします。
※よくある勘違いとして、「1on1面談は上司と部下が1対1で話すこと」という形式の問題として認識しているケースがありますが、あくまで1on1面談は、『上司が部下一人ひとりに合わせた傾聴をする対話方式の面談』のことです。
■ 面談と評価面談は違う?
1on1面談は、「評価」ではなく「対話」に重点を置きます。
上司が一方的に話す場ではなく、社員の気持ちや考えを引き出す場として機能させましょう。
【評価面談】
- 年1〜2回
- 人事評価や査定が目的
- フィードバック中心
【1on1面談】
- 月1〜2回
- 本音の共有や悩み相談
- 支援と信頼構築が目的
■ 中小企業で1on1を成功させる3つの前提
導入にあたっては、次の3点を押さえておくと効果的です。
① 時間を“短く・定期的に”設定する
最初から30分や1時間の面談を月1で行うのはハードルが高いかもしれません。
まずは10〜15分、週1〜隔週のペースからスタートしても十分効果があります。
② ゴールは「話を聞くこと」
アドバイスや指導に走るのではなく、部下の考えや気持ちを引き出すことを意識しましょう。
「最近どう?」の一言から始め、傾聴に徹するだけでも価値があります。
③ 上司側の“心構え”がカギ
社員が話すことに対して否定したり、評価の目で見たりすると、本音は出てきません。
フラットな立場での“対話の場”として位置づけましょう。
■ 面談で話すテーマ例(テンプレート)
毎回テーマに悩まないよう、以下のような項目をローテーションで使っていくのが有効です。
テーマ | 例 |
---|---|
近況確認 | 今、どんな仕事に取り組んでいますか?疲れてない? |
成長実感 | 最近「できるようになった」と思うことはありますか? |
課題の発見 | 難しい・悩んでいることはありますか? |
キャリア | どんな仕事を今後やってみたいですか? |
働きやすさ | 職場の雰囲気・人間関係で気になることは? |
支援 | 会社にもっとこうしてほしいことはありますか? |
メモを取っておくと、過去回の話とつなげてフォローもできます。
■ 本音を引き出す「聞き方」のコツ
部下が安心して話せるよう、以下のような工夫が有効です。
- 「〜についてどう感じてる?」と感情にフォーカスする
- 「もし改善できるとしたら何が理想?」とポジティブな問いを投げかける
- 沈黙を怖がらず、答えが出るまで“待つ”姿勢
- 「ありがとう、教えてくれて」と言葉で感謝を伝える
■ 1on1をやっても上手くいかない理由と対策
課題 | よくある原因 | 対策 |
---|---|---|
話が盛り上がらない | 上司の主導・一方通行 | オープンクエスチョンで部下の話を引き出す |
面談が形骸化する | 回数やテーマが曖昧 | 定期実施+テーマ設計を習慣化 |
面談後に変化がない | 話を“聞きっぱなし”にしている | 小さな行動改善や支援をすぐ実行する |
■ 1on1は「辞めさせない施策」ではなく「育てる文化」
1on1面談を通じて、
- 上司と部下の信頼関係が生まれ
- 本音が出て
- 定着率が向上し
- 成長が加速する
という好循環が生まれます。
それは「制度」ではなく、会社全体の“育成文化”として根づかせていくものです。
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