目次
【はじめに】
相続が発生すると、戸籍の取得や財産の調査、遺産分割協議、名義変更など、やるべきことが一気に押し寄せてきます。
「誰に、いつ、どこまで相談していいのか分からない」
「とりあえず手探りで進めているけど不安…」
そうしたときに、行政書士は相続手続きの“入り口支援”役として非常に有効な専門家です。
今回は、行政書士に相続を相談する最適なタイミングと、具体的に依頼できる業務範囲について詳しく解説します。
【1】行政書士は相続の「実務支援の専門家」
行政書士は、官公署に提出する書類作成や手続き代理を行える国家資格者です。
特に相続分野では、戸籍の取得から遺産分割協議書の作成、銀行・証券などへの提出書類の整備など、
膨大な実務作業を担うことができます。
【2】行政書士に相談するベストなタイミングは「相続開始直後」
行政書士が最も効果的にサポートできるのは、相続開始直後〜遺産分割協議までの期間です。
✅こんなときにご相談ください:
- 相続人を確定させたい
- 財産の全体像が分からない
- 遺産分割協議書の文案を中立的にまとめたい
- 相続手続きの流れを整理したい
- 証券・車両などの名義変更書類を整えたい
- 遺言書の有無を確認したい
- 公正証書遺言を作成しておきたい(生前)
【3】行政書士に依頼できる主な業務
業務 | 対応可否 | 補足 |
---|---|---|
戸籍収集・相続人調査 | 〇 | 全ての戸籍・除籍を取得し、相続関係図を作成 |
財産目録の作成 | 〇 | 預貯金・不動産・証券などを調査・整理 |
遺産分割協議書の作成 | 〇 | 実印・印鑑証明等も含めて整備 |
預貯金・証券等の名義変更書類の作成 | 〇 | 各金融機関ごとに対応 |
自動車の名義変更書類作成 | 〇 | 運輸支局への申請書類を作成 |
遺言執行者としての対応 | 〇 | 税務・登記以外の執行は可 |
相続登記(不動産名義変更) | ✕ | 登記は司法書士の独占業務 |
相続税申告・税務相談 | ✕ | 税理士の業務領域 |
【4】行政書士に依頼するメリット
🧩 手続きの“全体像”を整理できる
- 相続人・財産・必要書類を一覧にして提示
- 進め方をスケジュール化し、漏れ防止
💬 感情の対立をやわらげる「中立役」
- 争いではなく合意形成の支援者
- 家庭の事情に配慮した文案・表現調整が可能
💼 他士業との連携でワンストップ支援
- 税理士・司法書士・弁護士と連携可能な体制がある場合、必要なタイミングで橋渡しができる
【5】行政書士へ相談する際のチェックポイント
- 相続分野の経験・実績が豊富か
- 料金体系が明確で納得できるか
- 他士業と連携が取れる体制か
- 出張・オンライン対応が可能か(高齢の相続人がいるケース等)
【6】よくある質問(Q&A)
Q. 行政書士と司法書士、どちらに依頼すべき?
→ 登記(不動産名義変更)が必要な場合は司法書士。
それ以外の手続きが中心であれば行政書士でも十分対応可能です。
Q. 銀行や証券会社の手続きだけでも依頼できる?
→ 可能です。必要書類の案内から整備、提出代行まで対応できます。
【まとめ】
- 相続で迷ったら、まずは行政書士に相談することで手続き全体が見通せる
- 行政書士は実務・文書作成のプロフェッショナル
- 税や登記は他士業との連携で対応できる場合もある
- 早めの相談が、結果的にコストや手間の削減に