こんにちは、東京都中野区のかとう行政書士事務所です。
今回は「オンボーディング」の中でも特に重要な「入社後1ヶ月のフォロー体制」に焦点を当てます。
入社後の離職理由として多いのが、
- 「仕事内容が思っていたのと違った」
- 「職場の雰囲気に馴染めなかった」
- 「放置されていて不安になった」
といった“環境とのギャップ”や“孤立感”です。
これを防ぐために必要なのが、入社後の定着支援=オンボーディング施策です。
■ オンボーディングとは?
「オンボーディング(Onboarding)」とは、
新入社員が組織にスムーズに適応し、成果を出せるように支援するプロセスのことです。
中小企業ではこの言葉自体があまり浸透していませんが、取り入れている企業とそうでない企業とでは、早期離職率や戦力化までのスピードに明確な差が出ています。
■ オンボーディングを怠ると何が起きるか?
実際に、フォロー体制が不十分な職場では以下のような問題が起こりやすくなります。
- 新人が何をして良いか分からず手持ち無沙汰に
- 疑問や相談があっても聞ける雰囲気がない
- 職場のルールや文化が理解できず浮いてしまう
- 自分が求められている役割を掴めない
結果として、モチベーションの低下→孤立→離職という流れに…。
■ オンボーディング体制の基本設計(1ヶ月モデル)
✅ 【0日目(入社前)】
- 入社前に業務説明資料や初日の流れを共有
- 担当者からの歓迎メール or オンライン挨拶
✅ 【1日目(初日)】
- 社長 or 上司からの歓迎挨拶
- 社内ルール・設備案内・IT環境の設定
- チーム内での歓迎ランチ
- 1on1による感想ヒアリング
✅ 【1週目】
- OJTによる基本業務の理解とトレーニング
- 簡易的な目標設定(今月の到達点)
- 週末に振り返り面談(10~15分でもOK)
✅ 【2週目〜4週目】
- 業務の独り立ちに向けた段階的タスク提供
- チームミーティングに参加してもらう
- 週1回のショート面談(気軽なチェックイン)
- 月末に1on1面談:振り返り+フィードバック
■ 中小企業でも実践できる「3つの仕組み」
中小企業で重要なのは、人を増やすことよりも“フォローの型”をつくることです。以下の3つを意識しましょう。
① 「担当者」を1人つけるだけで孤独を減らせる
たとえ業務指導担当でなくても構いません。
“話しかけやすい存在”がいるだけで、新人は安心できます。
役割名をつけると分かりやすく、「メンター」「サポート担当」「育成リーダー」などでも良いでしょう。
② 毎週の“振り返り時間”を仕組みにする
定例で週1回15〜30分のミーティングを設けましょう。
チェック項目例:
- 今週できたこと・困ったこと
- 今後チャレンジしたいこと
- 不安・疑問点はあったか?
- 職場の雰囲気・人間関係について
形式ばらなくてOKです。あくまで「対話の場」として設けることが大切です。
③ “成長の見える化”でモチベーションを保つ
新人が「自分はちゃんとできているのか?」と不安になるのは当然です。
- 担当できる業務が1つ増える
- お客様対応にチャレンジした
- 社内チャットで発言できた
など、小さな成功体験を都度フィードバックしましょう。
上司からの「〇〇できてたよ」「あの対応よかったね」の一言が、大きな励みになります。
■ 社内文化を伝える“雑談”のすすめ
業務内容だけでなく、
- 「社内の暗黙ルール」
- 「うちの仕事観」
- 「繁忙期の過ごし方」
- 「この仕事のやりがい」
など、言語化されていない“カルチャー”の共有も重要です。
形式的な会議より、休憩中やランチタイムに交えた雑談の中で自然に伝えるのがおすすめです。
■ オンボーディングは“辞めさせない施策”ではなく“育てる施策”
多くの中小企業では、「定着=辞めさせないこと」と考えがちですが、オンボーディングの本質はそこではありません。
新人が早く活躍できるよう支援する“育成”の土台なのです。
そして、
- 組織の風土に馴染み
- チームの一員として自覚を持ち
- スキルと意欲を高めていく
この過程がスムーズに進むことで、離職リスクは自然と下がっていきます。
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